調査会社のGartnerが実施した調査によると、所得の高い人の方が、他のインターネットユーザーよりも多くのフィッシング電子メールを受け取っており、損失金額も高いという。
Gartnerが米国時間11月9日に発表した報告書によると、年間所得10万ドル以上の人がこの1年間に受け取ったフィッシング電子メールの平均数は112通だったという。その他所得者層のユーザー平均は74通だった。フィッシング電子メールは、一見信頼できる送り主からのように見せかけたもので、メール本文の中にインターネットバンキングなどを装った偽造ウェブサイトにリンクを貼り、ユーザーに機密情報を開示させようとする。
報告書によると、所得の高いユーザーがこのような偽造リンクをクリックする確立は他のユーザーより低いが、ひっかかった場合の平均損失額は大きいという。高所得者の1件あたりの損失金額は4362ドルで、これは他の所得層の4倍となっている。
「フィッシング事業者が高所得者層をターゲットにしているとは断定できないが、高所得者層が受け取るフィッシング電子メールの数が多いことは確かだ」とGartnerのアナリスト Avivah Litan氏は述べている。「この理由は、フィッシング事業者が魅力的だと思うリストに高所得者が多く載っているからかもしれない。私も実際、プラチナカード所有者情報を宣伝するリストをインターネット上で見たことがある」(Litan氏)
Gartnerの報告書によると、2006年、米国の成人1億900万人がフィッシングのターゲットになったという。これは、2005年より7900万人増えており、2年前と比べるとほぼ2倍の数となる。
被害者1人あたりの平均損失額は1244ドルで、これも2005年の256ドルから増加している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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