中国ネチズンの本音--MS中国撤退発言とVista価格発表で

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Microsoft中国撤退を引き止めぬ中国ネチズン

 10月末にギリシャ・アテネで開催された国連サミットでの、中国ネット検閲問題についての会議で、Microsoftのシニアポリシーカウンセルを務めるFred Tipson氏は「状況はどんどん悪化している」として中国での事業を再度見直す必要があるとし、場合によっては中国撤退も辞さない考えであるとコメントした。

 このニュースが中国でも一部端折られて紹介された。大手ポータルサイトの捜狐の報道では「Microsoftは中国政府との共同事業について見直す必要があることを理由に、中国から撤退することを示唆している」と報じ、ネット検閲については一切触れることはなかった。

 捜狐の発表したニュースの読者感想欄において「中国が人権を侵害していて、ネットワーク封鎖などメディアコントロールをしていて、だからMicrosoftは撤退するんだよ」というオリジナルのニュースの内容を書きこむネチズンはいた。しかし大多数の意見は「中国は海賊版が浸透している市場だから商業的に成功しなかったので撤退するんだろう」というものであった。「中国人自身が標準を作るからMicrosoftは無くて結構」というコメントも多かった。事件についての論評はいろいろあれど「去るものは追わず」というスタンスではネチズンは一致していた。

中国でのWindows Vistaは既に海賊版浸透ムード

 そんな中国においてもWindows Vistaの企業向けのボリュームライセンスが11月30日に発売される。海外のITニュースに敏感な中国のIT系メディアは、海外メディアでWindows Vistaの価格が発表されるや、中国の読者向けに速報した。その結果アメリカドル、日本円、カナダドル、イギリスポンドでの価格が中国でレポートされたが、肝心の人民元での価格は未だ発表されていない。各国での値段を紹介するとともに「高すぎ」というコメントを付記する中国のIT系メディアは多い。

 海外でのWindows Vistaの価格発表を受け、CNET Chinaと中関村在線が共同でオンラインアンケートを行った。「Windows Vistaの価格設定をどう思うか?」という質問に、回答者数2000人強のうち全体の89.19%が「高すぎる」と回答し、「正規版のWindowsVistaを選択するか?」という質問に対しては回答者の62.87%が「選択しない」、31.49%が「中国での値段次第」、5.6%が「選択する」と回答。この調査結果の分析をこの記事の筆者は「最も安価なWindows Vista Home Basicのアップデート版ですらデュアルコアのCPU1個相当、Windows Vista Ultimateの通常版ならPC1個組み立てられるパーツが揃えられる」とハードウェアの価格を引き合いに出し値段の高さを訴えている。ちなみに中国ではWindows Vistaだけでなく、ビジネスソフトウェアはメディアで登場しても希望小売価格は表示されないのが一般的。

 Windows Vistaの価格報道の記事の読者感想欄を見ると、値段が高いことと、中国人の所得が低いことを理由として海賊版使用を正当化する発言ばかりが並ぶ。中国では安価な光ディスクに詰め込まれた目に見えないアイデアや労力を評価するユーザーやメディアはまだ少数派だ。

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