半導体ウエハ大手の東芝セラミックスは10月31日、経営陣による自社株買い取り(MBO)を正式発表した。買収目的会社エスアイシー・インベストメントが、株式公開買い付け(TOB)により東芝セラミックス株の3分の2以上を取得。TOBの成立後、東芝セラミックスの役員や従業員がエスアイシー・インベストメントに資本参加する。
東芝セラミックスでは、MBOにより東芝グループから独立することで、経営の自由度を高め、事業拡大を目指す。また同社では、今後の需要拡大にあわせて300mmウエハの製造能力を増強するため、従来より多額の予算で、長期の研究開発、設備投資を行う予定。MBOにより株式が非公開となることで、短期的な業績に左右されず製造能力の増強できるとみている。
TOBを実施するエスアイシー・インベストメントは、国内投資会社ユニゾン・キャピタルと米The Carlyle Group傘下の投資ファンドが、10月4日に折半出資で設立した。11月1日から12月1日まで、1株あたり600円で買い付けを行い、東芝セラミックスの自己株式を除く全株を取得する予定。取得金額は608億6700万円としている。
東芝セラミックス株式の40.4%を保有する東芝は同日、TOBに応募する意向を表明した。なお、東芝はTOB成立後にエスアイシー・インベストメントへ3%出資する。また東芝セラミックスは、2007年5月まで「東芝」の名称を商号に使用する権利を維持し、ウエハーを東芝に長期供給するという。
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