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定額聴き放題のナップスター始動--「iTunesはライバルではない」

永井美智子(編集部)、岩本有平(編集部)2006年10月03日 11時16分
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 タワーレコードと米Napster, LLCとのジョイントベンチャーであるナップスタージャパンは10月3日、日本で音楽配信サービス「ナップスター」を同日22時より開始する。定額で聴き放題のメニューを用意した点が最大の特徴だ。

 ナップスターは米Napsterが開始した音楽配信サービス。月額定額料金を支払えば楽曲が聴き放題になるサブスクリプションサービスが目玉だ。米国のほか英国やドイツですでにサービスを提供しており、サブスクリプションサービスは全世界で50万以上のユーザーがいる。

 日本で提供するのは、すでに発表されているとおり、定額聴き放題サービスのサブスクリプションサービスと楽曲単位でダウンロード課金するサービスの2つだ。

 サブスクリプションサービスは、月額1280円で楽曲をPCへダウンロードし、PCで再生可能な「Napster Basic」と、月額1980円でPCだけでなく対応する携帯音楽プレーヤーでも楽曲を再生できる「Napster To Go」の2種類。楽曲単位で課金する「Napster a la carte」の1曲あたりの料金は、最多価格帯が洋楽150円、邦楽200円となっている。

 楽曲はWindows Media形式、ビットレートが192kbpsで提供される。サブスクリプションサービスでは3台のPCと3台の携帯音楽プレーヤーで楽曲が再生できる。サービス開始時の音源提供企業は276社。聴き放題サービスではBMG JAPANやソニー・ミュージックネットワーク、東芝EMIをはじめとしたレーベルが参加し、150万曲以上の洋楽と約2万曲の邦楽をそろえる。決済はクレジットカードもしくは専用のプリペイドカード「Napsterカード」に対応する。Napsterカードはタワーレコード各店のほか、全国のコンビニなどで販売する。

 対応する携帯音楽プレーヤーは現在、東芝の「gigabeat」やNTTドコモの富士通製携帯電話端末「F902is」など5社から26機種が発売されている。また、ケンウッドやSIREN、シャープなども対応するプレーヤーの発売を予定しており、NTTドコモも次期モデルでいくつか対応端末を発表する。これにより、2006年年内には対応機種が出荷ベースで200万台を超える見込みだという。

 ナップスターを利用するには専用のソフトウェアをPCにインストールしなければならない。この専用ソフトでは楽曲の検索や再生、携帯音楽プレーヤーへの転送のほか、楽曲の再生順序をリスト化した「プレイリスト」が作成できる。プレイリストはユーザー間で共有可能だ。また、同じ楽曲を聴いたユーザーの傾向や楽曲に付加されている情報により、動的にプレイリストを作成する「リコメンデーションエンジン」機能も備えている。

 また、タワーレコードの関連会社であるNMNLが運営するECサイト「@TOWER.JP」と連携し、CDやDVDなどのパッケージ商品の購入も可能。タワーレコードで配布しているフリーペーパーと連動したコンテンツなども用意する。

 タワーレコード代表取締役社長 兼 最高経営責任者 兼 執行責任者でナップスタージャパン代表取締役の伏谷博之氏は、CDの売り上げが右肩下であることにふれた上で「時代が変わればユーザーのニーズも変わる。ユーザーとともに半歩先を行き、新しい時代のサービスを提供していかなければならない」と意気込みを語った。

 当初は2006年春のサービス開始を予定していたが、これについては「見積もりが甘かった」と語る。2005年秋にナップスタージャパンを設立し、半年の準備期間を予定していたが、「サブスクリプションを大々的に導入する国内初のサービスだったので、レーベルや権利保有者に説明する時間を大きく取るべきと判断した結果だ。また、グループ内で店舗やECと連動したサービスをきちんと作り上げていくために時間をかけた」とスケジュールの遅れについて説明した。

 ライバル視されるiTunes Storeに対しては課金モデルの違いなどから「直接的なライバルではない」とした。また、CDなどによるパッケージ販売と音楽配信の市場規模を比べて、「パッケージ市場から見ると音楽配信のマーケットは小さい。どこがライバルという段階ではない」と語った。その一方でiPodが日本で非常に普及している点についても触れ、「今後は対応端末をどんどん増やして(iTunesに負けている部分は)克服していきたい」とした。

 また、米国でTower Recordsを運営するMTSが日本の民事再生法にあたるChapter 11を申請したことにも触れ、「我々は2002年にマネジメントバイアウト(MBO:経営者や従業員による企業買収)をして、米国のTower Recordsからは独立している。(MTSがChapter 11を申請したのはiTunes Storeなどの音楽配信に押されたせいではないかとも言われているが)、我々は音楽配信くらいで倒れるようなやわな会社じゃない」と語った。

 ナップスタージャパンでは事業目標として、アラカルトサービスについてはサービス開始から半年後に月間100万曲ダウンロード、サブスクリプションサービスについては3年後に会員100万人獲得を目指すとしている。

タワーレコード代表取締役社長 兼 最高経営責任者 兼 執行責任者でナップスタージャパン代表取締役の伏谷博之氏Napsterについて「言葉で説明しにくいが、まったく新しい音楽の視聴体験を提供してくれる」と語ったタワーレコード代表取締役社長 兼 最高経営責任者 兼 執行責任者でナップスタージャパン代表取締役の伏谷博之氏

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