Cisco Sytemsは米国時間10月26日、Orativeという小規模な新興企業を約3100万ドルの現金で買収することを発表した。この動きは、Ciscoが自社のソフトウェアスイート「Voice & Unified Communications」をモバイル端末に拡大することをにらんだものとなる。
Ciscoが2006年に入ってから発表したUnified Communicationsは、IPインフラを通じて通話することを可能にする同社のIP-PBXソフトウェア「Cisco Unified CallManager」と、ユーザーの端末からユーザーのステータスや状況に関する情報を収集し、Ciscoのアプリケーションに供給するプレゼンスサーバを連係させることができる。また、CallManagerを個人のコミュニケーションツールと接続することも可能で、ユーザーは自分のPCやIP電話で、誰がオンラインかを把握することができる。
Unified Communicationsを利用している法人顧客が通信したり追跡したりできるのは、今のところ、デスクトップPCとノートPCを利用するユーザーに限定されている。だが、スマートフォンや携帯電話で仕事の管理をする人々が多くなっており、Ciscoでもモバイルコンポーネントの追加は重要だと認識している。
CiscoのIPコミュニケーション担当バイスプレジデント、Barry O'Sullivan氏は、「会社員の28%がモバイル機器を利用している」と述べる。「そして、社員の多くにとって、社外で費やす時間は増えている。われわれは、こうしたモバイルワーカーもユニファイドコミュニケーションを最大限に利用できるようにしたい」(O'Sullivan氏)
これはつまり、モバイルワーカーが自分のモバイル端末でボイスメールを確認したり、電話会議の通知を受けたりすることが可能になることを意味する。また、個人や会社の電話帳にアクセスし、自分の携帯電話から短縮ダイアルを使って電話をかける、といったこともできるようになる。
CiscoはUnified Communicationsのアプリケーションを携帯電話に拡張するため、Nokiaなどの複数のモバイル機器メーカーとすでに提携を結んでいる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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