VAIO type Gをひとことで言えば、VAIOならではの雰囲気を保ちながらもビジネス向けに特化して作り替えたB5ファイルサイズのノートPCだ。最近のノートPCはワイド画面のものが多いが、type Gは従来からある4:3比率の1024×768ドットの液晶を使っている。また、光学ドライブを装備した2スピンドルタイプも多いが、type Gでは重量を優先したモデルは光学ドライブなしとなっている。
これだけ見れば一見、あまり特長のないノートPCに見えるかもしれない。すでにVAIOにはtype Tというワイド液晶、2スピンドルで軽量性も稼働時間も申し分のない製品があり、それと比較する人もいるだろう。type Gは、基本コンセプトをビジネスユーザーのためのPCと位置付ける。よりビジネスシーンで活用できる製品にするため、「市場調査プロジェクト」を立ち上げたのだという。ユーザーの不満および要望を徹底的に調査し、ビジネスユーザーの声を活かした製品づくりをしたという。
その声を活かした1つが、4:3比率のディスプレイだ。現在のビジネス向けアプリケーションはまだ4:3の画面向けに作られたものが多く存在する。調査によれば、社内アプリケーションを使った場合に画面の整合性などの問題が起きてしまうという。よくある例としては、Microsoft PowerPointのプレゼン画面を表示した場合、type Tなどの約12インチ程のワイド液晶は、4:3比率の12.1インチ液晶よりも3割も小さく表示されてしまう。
実際、見てみると画面の1ドットの大きさが単純にtype Tよりも大きいため、type Gの液晶がより見やすいと感じる。使い方にもよるが、ワイド液晶の表示範囲が広いというメリットよりも、画面全体の見やすさという点を重視したい人には向いているだろう。
光学ドライブに関しては、搭載か非搭載かを選べるようになっている。光学ドライブはあって困ることはなく、渡されたCD-Rに書き込まれたデータを現場で参照したり、逆にデータを焼いて渡すといった使い方ができるのは非常に便利だ。
一方で、光学ドライブの便利さよりも軽量性を選ぶという向きもあるだろう。光学ドライブなし+Sバッテリーの世界最軽量モデルは約898gだ。また、ビジネスの現場では、セキュリティ上の問題から光学ドライブ非搭載を必要とする会社もある。光学ドライブの非搭載を可能としている点も、ビジネスユーザーの声を活かした結果だろうと想像できる。
ここまで見ると他社、つまりパナソニックのレッツノートW/Tシリーズのライバルになる製品と言える。VAIOらしさという点では、黒を基調としたスタイリングやカーボンを使ったボディも魅力のひとつだ。また、加速度センサーを装備し、動作中落下などに備えてHDDをヘッドを回避する機構を搭載しており、いざというときのリスクも軽減できる。さらには、FeliCaポートやBluetoothなど使い始めれば便利な機能が入っていることも見逃せない。
また、VAIOらしく豊富な純正オプションが用意される。ブックカバー型のキャンリグカバーは装着したままでも通常どおり使え、排熱も妨げない優れもの。また、ジャストサイズで、ACアダプターもスマートに収納できる専用セミハードケースも用意される。
ビジネスといってもスマートに機器を持ち運んで使うことも重要。そういった点も満たしてくれるのはtype Gだ。
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