Microsoftは、「Windows Vista」に新たな海賊版防止技術を導入する予定だ。この技術が導入されると、OSのインストール後30日以内にライセンス認証が行われない場合、ユーザーはPCを通常通りに利用できないようになる。
MicrosoftのシニアプロダクトマネージャーThomas Lindeman氏によれば、Vistaが期限内に正規のプロダクトキーでライセンス認証されない場合、OSはライセンス認証が行われるまで「機能限定モード」で稼働することになるという。同氏によれば、このモードでは、ユーザーはウェブブラウザを最大1時間利用できるが、利用開始から1時間たった時点でシステムからログアウトされるという。
この新技術は、Microsoftが米国時間10月4日に発表する予定の新たなプラットフォーム「Software Protection Platform」の一部となる。MicrosoftのWindows Genuine Software InitiativeのディレクターCori Hartje氏によれば、これは今後すべてのMicrosoft製品に採用されることになるが、Windows VistaとWindows Server「Longhorn」で最初に採用されることになるという。なお、「Windows XP」の後継であるVistaは、2007年1月にリリースされる予定である。
Microsoftはこの2年間、同社の主力製品であるWindowsとOfficeに対して「Genuine Advantage」をアドオンすることによって、ソフトウェアの海賊行為との闘いを拡大してきた。Microsoftは今度、新製品に海賊版防止策を組み込み、不正に入手された製品であるとわかった場合にはより徹底した措置をとることで、海賊行為への対抗策を強化しようとしている。
しかし、大半のユーザーはVistaのこの海賊版防止技術を直接目にすることはないはずである。例えば、Vistaがインストール済みのPCをDell、Hewlett-Packard、Gatewayといった企業から購入するユーザーは、OSがすでにライセンス認証されている状態で購入することになるはずである。
Hartje氏は、「箱から出せば何の問題もなく利用できるようになっているはずだ」と述べ、「これは、既存のPCにインストールするユーザーに関係する話だ」と語っている。
例えば、Vistaを自らの手で既存のPCにインストールするユーザーは、インストール後30日以内に、OSのライセンス認証を行い、正規ラインセンスを保有していることをMicrosoftに対して証明する必要がある。Lindeman氏は「この30日の間には、警告メッセージが表示され、日数がカウントダウンされていく。そして、最後の3日間には、警告メッセージがより頻繁に表示されるようになる」と述べている。
警告メッセージが無視され、30日が過ぎると、Vistaは4つの選択肢を提示する。Lindeman氏によれば、1つ目はオンラインでのアクティベート、2つ目は機能限定モードでの稼働、3つ目はプロダクトキーの入力、4つ目は電話によるライセンス認証方法の指示だという。
「機能限定モードにおいて、ユーザーはウェブブラウザを最大1時間まで使用できるが、1時間たつとログオフされてしまう」(Lindeman氏)
ユーザーにPCの使用を禁止するという対策は、Windows XPで採用されたWindows Genuine Advantageという対策に比べると、大きく異なったものとなっている。XPで採用されている海賊版対策は、Microsoftのウェブサイトから追加プログラムをダウンロードできないようにするだけである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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