また別のインターネット調査会社が、YouTube(本社:カリフォルニア州サンマテオ)のビジネスモデルの破綻を予測してきた。
Forrester ResearchのアナリストJosh Bernoff氏とTed Schadler氏は先週公開したブログに、1年近く前の正式開設時から著作権の問題に悩まされてきたことを考えると、「YouTubeが訴えられて敗訴する」のは確実だ、と記した。
同アナリストらによると、訴訟になれば連鎖反応が起こり、YouTubeは著作権で保護された素材すべての削除を余儀なくされ、専門家が制作した大半のコンテンツも削除することになる。そうなると、YouTubeには「全く面白くない」ビデオしか残らないと、Forresterの両アナリストは述べる。
YouTube関係者にインタビューを申し入れたが回答は得られなかった。
Forresterが今回の見解を示す3カ月前にも、調査会社のIDCが同様の結論を出している。また、わずか数日前にも、HDNet創業者のMark Cuban氏が広告主らを前に「YouTubeに賛同するのは愚の骨頂だ」と語っている。ForresterもIDCも、YouTubeはファイル共有サイトのNapsterと同じ道をたどる、と主張している。
今では有名になった裁判のなかでNapsterは、同サービスのファイル共有システムを使って楽曲を不正に入手している人々に対する責任はNapsterにはない、と主張したが受け入れられなかった。
YouTubeもほぼ同じような主張を展開している。YouTubeにある素材の大半は自主制作作品で、映像を制作するのと、同サイトにそれを公開するのは同一人物だ。しかし、一部には映画、ミュージックビデオ、テレビ番組などの著作権で保護されている映像を共有し、著作権法に違反しているYouTubeファンもいる。
YouTubeの幹部らは、著作権の侵害が認められると即座にその映像を削除している。また、1カ月あたり1600万人以上の訪問者がある同サイトでは、海賊版の特定と公開阻止に役立つ技術の開発も進められている。
YouTubeは、Warner MusicやNBCなどとマーケティングや広告関連の契約を結び、最有力エンターテイメント企業各社との関係悪化がないことを立証している。
しかし、それだけでは不十分だと、Forresterは語っている。
Forresterは、「Warner Musicなどの企業がYouTubeとの提携に満足している、という話もあるようだが、BertelsmannもNapsterとの提携に意欲的だった。Warnerのような契約を考えている企業が存在する一方で、それを支持できないUniversalのような企業も同じだけ存在する」と書いている。
「Disneyでも、ソニーでも、CBS、あるいはNews Corp.でもいい。メディア企業が1社でも不満を持てば終わりだ。争えば、NapsterやGroksterのように最高裁判所が下す判断は明らかだ」とForresterは述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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