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Google Earthで世界が変わった--開発者が語る世界に与えたインパクトの大きさ - (page 2)

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 はたして本当にこんなツールが必要なのかどうか、Jones氏自身にもわからないところはあるという。だが、Jones氏は開拓精神に溢れたパイオニアの言葉を紹介し、これらの取り組みには価値があるとアピールした。例えばデザイナーであるアイリーン・グレーは、高さ調整の可能なテーブルについて、こう言っていたという。「ものごとを生み出すには、まずすべてに対して疑問を投げかけなければ始まらない」

 Googleはこのアースブラウザをつくり、その後、使い方も含めたさまざまな情報を交換できる掲示板を使ったコミュニティーを用意した。そうしたところ、いろいろとおもしろい活用が広まっていったという。

 例えばこんな例がある。ある銀行強盗犯が、監獄の中の社会更生プログラムの一環でPCやインターネットについて学んで、Google Earthで自分が襲ったいくつかの銀行と、今、彼がいる監獄の場所をGoogle Earthの位置情報として公開したというのだ。

 Googleが昨年から力を入れてきているのがビルなどの立体モデルだ。Sketchup!を買収し、立体画像が簡単に作れるソフト「Google SketchUp」を無償提供したことで、数え切れないほどのビルが立体オブジェクト化された。

 Googleでも建物の立体モデル化に真剣に取り組んでいるといい、先日リリースしたバージョンでは日本のほとんどの建物を立体モデル化し、その上を飛行できるようにしているという。

Googleと名付けられた蟻も誕生

 講演の後半では、これまでなかったタイプの新しいツールがでてきたことで、世の中がどう変わったか--つまりGoogle Earthが登場したことで、世の中の人々がどんなことをやり始めたかの実例を紹介した。

 まず紹介されたのはレスキューミッションへの応用だ。ハリケーン・カトリーナの被害で、Google Earthの被災者が、Google Earthにオーバーレイした衛星写真で自分の家の現状がどうなっているかを確認したり、家の場所に伝言を書く形で連絡をとりあったりしたというのは有名な話だ。それ以外にもパキスタンでは国境の位置を検討するのにGoogle Earthが使われたという。

 Google Earthは、科学者達がデータをどのように表現するかにも大きな影響を与えた。世界各地で起きた地震をGoogle Earthでまとめ、場所ごとにどの程度の影響があったかをまとめている学者もいる。川の水質を調査し、表現するのにGoogle Earthを使っている科学者もいる。野生の真っただ中にカメラやセンサーを仕掛け、Google Earthを使って遠隔地から観察を行っている学者もいる(学生によって3カ月で実践されたプロジェクトだという)。

 このほか、衛星から送られてくるハリケーンの写真を使ってハリケーンの動きを観察するのにも使われているという(Google Earthに追加されたアニメーション機能を使っている)。

Google Earth ハリケーンの動きをGoogle Earthと重ねることで、新たな表現が可能となった

 さらには、Google Earthにちなんで名付けられた蟻も誕生した。「プロセシャム・グーグル」という名前の蟻で、これはカリフォルニア科学アカデミーが発見した蟻だ。このアカデミーでは、世界中の蟻の種類と地理的分布を整理するのにGoogle Earthを活用、Googleへの感謝の印としてこの名をつけたという。

 地球の環境を守るため、地球環境の変化を学ぶためにGoogle Earthを活用する人も多い。取材写真や詳細なグラフをマッピングして、ヒ素汚染を紹介した学生もいれば、アニメーション機能を使って鳥インフルエンザが広がっていく様子をトレースするのに使っている人達もいる。

 レバノン地域にミサイルが落ちるたびに、それに関連したブログ記事にGoogle EarthからリンクするGeoブロギング(地理ブログ)プロジェクトもある。

 さらに、Google Earthはこの世に存在しないものを表現するのにも使われている。9.11テロでなくなった、ワールドトレードセンターの2つのビルをGoogle SketchUpでモデル化して公開している人もいる。

 こうしてGoogle Earthがさまざまな場面に変化をもたらしたことで、このソフトを支持する声もどんどん広がっていった。Jones氏は、世界のリーダーからも支持されているとして、「我々は皆、Google Earthの素晴らしさを知ってしまった」というフランスのジャック・シラク大統領からの賛辞を紹介した。

 Jones氏の講演のタイトルは「Computer Science Fiction -- the Three Wheels(コンピュータ、サイエンス、フィクションという3輪)」だったが、Google Maps、Google Maps APIそしてGoogle Earthという3輪によって、コンピュータの使われ方や、科学のあり方、さらにはフィクションのあり方にも大きな変化が出てきたようだ。

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