プロジェクトごとのコラボレーションや、複数のコミュニケーション手段の導入を推進すれば、たしかに有益な面もあるだろう。しかしその場合、従業員には使用指針が、そしてIT管理者にはこれらの指針を制御するツールが必要になる、とAjaxツール開発企業JackBeのCTO、John Crupi氏は指摘する。
「以前わたしが勤めていたSun Microsystemsでは、皆ブログを使用していたが、1つだけルールがあった。バカなことはするな、というルールだ。解決策は1つだけということはないだろう。しかし、(コミュニケーションを)奨励しつつも、制御する方法を模索しなければならない」(Crupi氏)
一般的に、企業はウェブ関連の新興企業と組んで業務を進めることに消極的だ。そして、Web 2.0のビジネスモデルには、その有効性が完全に実証されていないものも多い。
「率直に言って、Web2.0にも、これではWeb 1.0ではないか、と感じさせる要素がある--すばらしいアイデアを思いついた、これでひともうけできれば最高だろう、といった考え方だ。たとえば、ソーシャルネットワークを任意のアプリケーションに機能として組み込むとする。たしかにすばらしいアイデアだが、それをどうやって利益に結びつけるのだろう? その答えは今のところ出ていない」(Temkin氏)
それでも、会議では多くのWeb 2.0型サービスが企業のビジネスに組み込まれていくに違いないとの意見が聞かれた。一般ユーザー向けのウェブの世界における革新はめざましく、個人のウェブアプリケーション構築を支援するツールもますます強力になっているからだ。
また、アナリストによると、SAPやMicrosoft、IBMなどのような大手ベンダーもこうした技術やコラボレーション手法に注目しており、将来的には企業向け製品に組み込んでいく見通しだという。
ニュース配信企業VoxantのCEO、Jeff Crigler氏は、「ITにおける集中管理の度合いは、数年単位で揺れ動くものだ」と指摘する。
「現在と昔の違いは、以前は思いどおりのことをするのはコストがかかり、技術的にも非常に困難だったという点だ。今は、アプリケーションが発達し、『14才の息子ができるのなら、わたしにもきっとわかるだろう』と考えられるところまで来た」とCrigler氏は語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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