Alberto Gonzales米司法長官は米国時間9月19日、インターネットサービスプロバイダー(ISP)に顧客のオンライン上での行動の追跡を義務付ける連邦法の制定に向けた働きかけを強化した。
Gonzales長官は上院議員らに対し、いわゆる「データ保持」法案を可決するよう要請した。同法案が可決された場合、ISPには顧客のログを最低1〜2年間保持することが義務付けられる。同法制定の目的は、通常2〜3カ月後に廃棄されるそれらのログを警察が犯罪捜査に利用できるようにすることにある。
Gonzales長官は、上院銀行委員会の公聴会の中で、「これは国家の問題であり、連邦法の制定が必要だ」と述べ、さらに「ISPに十分な期間のデータ保持を義務付け、過去にさかのぼってデータを回収できるようにする方法を見出す必要がある」と語った。
米国では11月の中間選挙が近づくにつれ、政治家らが、児童、ポルノ、インターネットというテーマの検討にかつてないほど力を注いでおり、少なくとも3つの委員会が今週1週間だけで、このテーマに関する複数の公聴会を開催する。
上院商業委員会は、政界外の著名人であるプロバスケットボール選手のShaquille O'Neal氏に協力を求めた。同委員会開催前に上映されたビデオ映像の中で、O'Neal氏は次のように語った。「私はこれまで、大変悲しくなるような映像を数多く目にしてきた。また怒りがこみ上げてくるような映像もたくさん見た。そう、私は怒っている。上院議員の皆さん、私は大変怒っている」(O'Neal氏は連邦政府が資金を拠出している非営利団体Safe Surfin' Foundationの広報を務めている)。
果たして、データ保持法が2006年中に議会で可決されるのか、あるいは2007年まで採決が先延ばしされるのかは定かでない。ある共和党下院議員は、法案(PDFファイル)を起草したが、その後取り下げた。また、民主党法案(PDFファイル)については、まだ採決が行われていない。
しかし、Bush政権はデータ保持の義務付けを強く支持し、州や地方の警察もデータ保持法案の成立に向けた働きかけに一役買っており、データ保持が義務化されれば児童の保護に役立つと主張している。そのため、業界団体やプライバシー擁護団体が新法成立を阻止するのは難しそうだ。Gonzales長官は19日に行った発言の中で、49人の州検事総長が署名したデータ保持の義務化を支持する書簡(PDFファイル)の内容を引用した。その書簡には、「ISPに対し、相当な期間のデータ保持を義務付けるために何らかの措置を講じなければならないのは明らかだ」と書かれていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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