Microsoftの例にならって、Google、Yahoo、eBayといった大手ウェブ企業も、成功を収めたMicrosoftのプログラムやオープンソースプロジェクトを真似た開発者向けプログラムを提供している。プログラマーは、ドキュメント、無償のツール、コードサンプルなどを入手できる。
「開発者の注目を得ようと競い合っているプラットフォームはすべて、ある意味で、競合している。開発者の数は自ずと限られているため、開発者のマインドシェアを獲得することは重要だ」とeBay Developers Programの責任者Greg Isaacs氏は語る。Isaacs氏によると、eBayは今後も同社のサイトのコア部分を外部開発者向けに公開していく予定だという。「このやり方の良いところは、われわれがeコマースのOSになれる点だ」(Isaacs氏)。
eBayは、同社のサイトを介して商品を販売するオンラインベンダーに売り上げを分配することで、開発者を金銭面でも引き付けようとしている。もちろん、最新のテクノロジを使ってコードが書けるという「クールさ」も開発者を引き付ける要因の1つだ。
新興のWeb2.0企業では、自社のAPIを公開して、サードパーティー企業が複数のソースからデータをマッシュアップできるようにするのが当たり前になってきている。
しかし、Amazonが提供しているのは、単なる商品カタログへのアクセス機能ではない。同社のサイトは、インターネット上で最も厳しい負荷に対応しているコンピューティングインフラの1つだが、そのインフラを外部の開発者に公開しているのだ。
「われわれがAmazon Web Servicesで行っていることの基本的なアイデアは、Amazonが大手ウェブサイトとして、また消費者と生産者が集まる大規模ウェブインフラとして享受しているスケールメリットを、外部の開発者に提供することだ。」とAmazon Web Servicesの製品管理および開発者リレーション担当バイスプレジデントAdam Selipsky氏は語る。
顧客企業は、自前でホスティング企業と契約し、ハードウェアを購入し、スタッフを雇う代わりに、Amazonのサイトに直接アクセスして、その処理能力、ストレージ、その他汎用のコンピューティングサービスを利用できる。
外部開発者は、Amazon.comのエンジニアが何年もかけて実現したパフォーマンス、信頼性、セキュリティをそのまま利用できる。これはAmazonが15億ドル以上を投じて実現したインフラだ、とSelipsky氏は説明する。
例えば、写真共有サイトSmugMug.comでは、Amazonのストレージサービスを活用することで、社員15人の規模のままで、より多くの訪問者に対応できるようになったという。
Amazon Web Servicesでは、Elastic Compute Cloudサービスの利用料金を、1サーバインスタンスにつき1時間10セントと、かなりの低価格に設定した。これは、平等な競争条件を提示し、できるだけ多くの開発者にリーチするためだとSelipsky氏は説明する。
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