IBMは、米国時間9月13日に発表した提携の一環として、「スマートな」自動車用のソフトウェアの開発に協力する。このソフトが完成すれば、自動調節型ヘッドライトや、衝突回避に役立つセンサーが実現するかもしれない。
IBMは、カナダに本拠を置くMagna Internationalのオートエレクトロニクス部門であるMagna Electronicsとの5年契約に基づき、ソフトウェアの設計と開発、および知的財産の管理を行う。Magna Electronicsはすでに、「スマートな」自動車部品の開発に着手している。契約の金銭的条件は明らかにされていない。
Magna Internationalの広報担当者、Tracy Fuerst氏は「Magna Electronicsの(IBMとの)提携は、われわれがこれまでに培った能力をさらに伸ばし、強化するものだ。われわれは提携により、異なる分野に進出することになる」と述べた。
いずれの企業も、特定の製品についてのコメントは控えている。だが、IBM Systems and Technology Groupの最高技術責任者(CTO)Bernie Meyerson氏は、共同作業から生まれる可能性のあるものとして、埋め込み型のセンサーやカメラを使い、一時停止標識に接近した車を--ドライバーの反応が間に合わない場合でも--減速できるようなシステムを挙げている。また、ドライバーの居眠り運転を察知し、アラーム音や常緑樹の香りを発してドライバーを起こす車内システムも考えられる。「インテリジェントなヘッドライト」は、道路の照明や天候状況に応じて自動的に明るさを調節できるかもしれないと、Meyerson氏は述べた。
今回の提携により、IBMは多方面にビジネスチャンスを拡大することになるだろうと、Illuminataのプレジデント兼主席アナリストのJonathan Eunice氏は予測する。IBMは、ハードウェア、ソフトウェア、ストレージ、運用、管理サービスなど各種の分野でサプライヤーとなり、自動車業界への販路を開拓できるだろうと、Eunice氏は述べた。
IBMのMeyerson氏によると、今後の共同作業では、同社が2003年に発表した「UIMA(Unstructured Information Management Architecture)」技術も組み込んでいく予定だという。UIMA技術の応用例としては、運転する車や前を走る車の速度、交通渋滞のパターン、特定の道路を走る車の平均速度といったリアルタイムのデータを呼び出すようなシステムが考えられる。こうしたデータはさらに、車の運転パターンの調整にも活用できるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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