IBMは、元々ビデオゲーム用として開発された9コア「Cell」プロセッサを採用したブレードサーバの販売を開始した。
3.2GHzで動作する「Cell Broadband Engine(Cell BE)」プロセッサを2個搭載した「QS20」ブレードサーバは、地震研究、暗号処理、デジタル画像レンダリング、軍事偵察といった、高性能コンピューティングを必要とするタスクにその威力を発揮する。
IBMの関係者は、ブレードサーバの価格を明らかにしなかったが、顧客への発表文では、それぞれ1万8995ドルとなっている。IBMによれば、米国時間9月12日発表の同サーバシステムは29日に発売される予定であり、高速ネットワーク用のオプションである「InfiniBand」は1950ドルで10月27日に発売される予定だという。
Cellプロセッサは、ソニーの「PLAYSTATION 3」や東芝のビデオ製品向けに、IBM、ソニー、東芝により共同開発された。Cellには、メインコアとして「Power」プロセッサコアが1個と、計算処理の種類に応じて特殊化されたヘルパーコアが8個搭載されている。
IBMのCellブレードサーバの顧客としては、ドイツのFraunhofer Institute、英国のマンチェスター大学、ソフトウェア開発システムの販売会社RapidMindなどがある。またIBMは同システムを、ニューメキシコにあるロスアラモス国立研究所(LANL)に納入する契約を結んでいる。同研究所が2007年に完成させる予定の巨大スーパーコンピュータには、少なくとも1万6000個のCellプロセッサが搭載されることになっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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