i180の最大の特長は、そのシンプルな操作系にある。本体に搭載されているボタンはふたつだけなので、機械類に弱いユーザーでも使いこなしは簡単だ。最も、その分できることは少ない。たとえば、録画予約機能は装備されていないし、本体やiPodで録画中の番組内容を確認することもできない。
そのため、番組の最初から最後まで過不足なく録画したい場合は、テレビなどで録画中の番組を視聴しながらの作業となってしまう。ちょっと本末転倒な気がしないでもない。しかし、ニュースのようにある程度割り切ってしまえるたぐいの番組や、お気に入りのドラマや音楽番組のように繰り返し視聴したい番組などが目的の場合は、十分実用的に使えると言えるだろう。
画質に関しては、「画質優先」、「標準」、「ファイルサイズ優先」、「ファイルサイズ最優先」の4つのモードが用意されており、いずれもMPEG-4形式(320×240ドット)となっている。より圧縮率の高いH.264には対応していないのが少々残念。ただし、映像の精細感や表現力は予想以上のクオリティで、動きの激しいシーンで発生しがちのブロックノイズもiPod上で視聴する場合はそれほど気にならない。「ファイルサイズ優先」(ビットレートは768kbps)程度でも、ほとんどの場合は満足できるのではないだろうか。
なお、i180の動作環境は現在のところWindows 2000/XPのみだが、9月中旬ごろにMac用のファームウエアと専用ソフトウエアが提供される予定となっている。
iPodやPSP人気もあって、ここ最近MPEG-4やH.264形式で録画できる多機能なチューナーが次々と登場してきている。そうした中で、あえて搭載する機能を絞り、誰にでも簡単に扱えることを目指したi180は、非常に個性的でユニークな製品だ。これまでiPod用の動画変換ソフトを試してみたけれど手間がかかりすぎて使わなくなってしまったという人や、テレビ番組を手軽にiPodで楽しみたいという人には、とくにお勧めしたい製品である。
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