Googleがまたしても、犯罪と戦う法執行機関を助けるという道義的責任と、ユーザーのプライバシーを保護するという公約との間で板挟みになっている。最新の問題はブラジル政府との間のものだ。
ブラジル検察当局は、Googleの提供する非常に人気の高いソーシャルネットワーキングサイト「Orkut」を捜査してきた。Orkut上の一部のユーザーが児童ポルノと人種差別の罪に問われているためだ。ブラジルで8月31日に開かれた法廷で、裁判所はブラジルのGoogleに対し、15日以内にIPアドレスを含む被疑者に関する情報を開示することを求めた。これに従わなければ、Googleは個別の案件ごとに1日あたり2万3000ドル以上の罰金を科せられることになる。
Googleはこれまでのところ、情報の開示を拒んでいる。サーバを運営し関係資料を保有しているのは米国本社であり、ブラジル支社ではないというのがその根拠だ。ブロガーはこの論争はブラジルの国境を越える判例を作る可能性があると指摘する。
以下はブログコミュニティーの反応である。
「この状況が頂点を迎えるとどうなるか--Googleは誇りを持ってユーザー情報の開示を拒否するだろう。これは主義の問題でもあり、Googleが今後何百万人ものユーザーのプライバシーを開示していく事態に繋がりかねないからでもある。だが期限が近づけば、判事はGoogleに開示されない情報1件につき、1日2万3000ドル以上の罰金を科すことになる。International Herald Tribuneの記事によれば、1日あたりの罰金総額は2300万ドル以上になるという。2週間のうちに、この金額は争うに値する額になるだろう」--ValleyWag
「Googleには同情できる。彼らは違法行為を助長し、見逃すサイトを運営しているという汚名を着せられているのだ。実際にはそうではない。Googleはユーザーがある程度の自由の中で自分たち自身を表現し、他の人々とのコミュニケーションを取るためのソーシャルネットワーキングサイトを運営しているのであり、それに不幸な副作用が起きたということなのだ。もちろんわれわれは児童ポルノや暴力行為や人種差別を肯定しているわけではなく、むしろその逆だ。しかしOrkutが、ユーザーが引き起こした犯罪に道義上の責任があるという主張は、MySpaceがひどい綴りや、閲覧できないレイアウトや、ティーンエイジャーが馬鹿なことをやっている写真に責任があるというようなものだ(もっとも、レイアウトについては責任があるかもしれないが)」--seachviews
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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