Apple ComputerとCreative Technologyは、米国時間8月23日、2社間で争われていた音楽プレイヤーの特許に関する訴訟を、1億ドルで和解することに合意したと発表した。
AppleはCreativeに1億ドルを支払い、Creativeの音楽プレイヤー「Zen」で使われている、階層構造にしたがったナビゲーションインターフェースに関する特許を利用する権利を得る。Creativeはこの特許が競合企業に影響を与えることを数カ月間にわたって示唆していたが、iPodを製造しているAppleを、この特許を侵害しているとして5月に提訴した。
その1週間後に、AppleはCreativeがAppleのユーザーインターフェースに関する特許を侵害しているとして逆提訴した。今回の和解で、この特許に関する2社間の法的闘争はすべて解消される。Creativeは国際貿易委員会に対し、Appleの特許侵害について調査を行うことも要請していた。
Creativeの広報担当Phil O'Shaughnessy氏によれば、この特許は、例えばまずアーティストを選択し、そのアーティストのアルバムを選択して、それからアルバムの中の特定の曲を選択するというように、ツリーを辿る形で選択をしていく形でユーザーを誘導するインターフェースを含むものだという。同氏によれば、この特許は携帯型メディアプレイヤーに適用されるもので、iPodや音楽再生機能を持つ携帯電話なども対象となる。Creativeは2001年1月5日にこの特許を出願している。
Creativeが他のMP3プレイヤー製造企業との間で特許に関する交渉を行い、それが成立すれば、Appleは今回の和解金1億ドルの一部を取り戻すことができると、Appleの広報担当者であるSteve Dowling氏は述べた。同氏は、実際にAppleがどの程度の金額を取り戻すことができるのか、その払い戻しが発生するにはどのくらいの数の案件が必要かについては明らかにしなかった。
「Creativeがこの特許を早期に取得していたことは非常に幸運だった」とAppleのCEOであるSteve Jobsはプレスリリースの中で述べた。Dowling氏は、Appleはこの特許侵害に関する法的争いを超えて、建設的に物事を進めることを希望していたとし、それには今回の和解金と同じく1億ドルはコストがかかっただろうと述べた。
「われわれはAppleと広範囲に渡る合意に達したことを歓迎している」とO'Shaughnessy氏は語った。同氏はまた、CreativeはMP3プレイヤーを製造している他の企業とも交渉する予定だと述べたが、他の企業とすでに交渉を始めているかどうかについては言明しなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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