世界で最も早い時期にスタートしたソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の1つで、数々の成果を収めてきた韓国の「Cyworld」が、いよいよ米国に進出する。
Cyworldは米国時間7月27日、米国でのベータ版サイトのサービスを開始した。8月中にも正式に全国展開を始め、Cyworldに「Minihome」と呼ばれる個人ウェブページを設置するよう呼びかける予定だ。Cyworldは特に18歳から29歳の年齢層をターゲットにしている。
米国版Cyworldで最高経営責任者(CEO)を務めるHenry Chon氏は、ベータ版サイトに何人集まったのかを明かそうとはしないが、その数は「予想よりかなり多い」と述べている。
Cyworldは多くの米国人にとってなじみのないサービスだが、ブロードバンドが浸透している韓国では生活に欠かせないものになっている。Cyworldによると、韓国の人口のおよそ30%にあたる約1800万人がCyworldのアカウントを取得しているという。
Chon氏によると、20歳から29歳の韓国人の90%以上がCyworld上にウェブページを持っており、そのうち92%近くが「ほとんど毎日」Cyworldを利用している。つまり、20歳から29歳の韓国人のおよそ80%が、毎日のようにCyworld上のどこかに立ち寄っていることになり、Cyworldは広告主から人気を得ている。
1999年に韓国でサービスを開始したCyworldは、中国、日本、台湾と対象範囲を拡大してきた。現在、中国のユーザー数はおよそ200万人だ。
米国ではすでに「MySpace.com」をはじめとするSNSが根付いているが、Cyworldはサイトの傾向に違いを出すことで食い込もうとしている。
「多くのSNSは大きなスタジアムで開かれるコンサートに似ている。大音量の音楽が鳴っていて、4万人から5万人が同じスタジアムにいる。誰もが楽しんでいるが、そこにいる人たちと再び出会うことはおそらくない」とChon氏は話す。
これに対しCyworldは、互いに相手を知っている人たちのコミュニケーション促進を狙っている。たとえば子供が産まれた夫婦なら、親類が赤ちゃんの最新の画像を見ることができるサイトが欲しい。別々の大学に通っている友人どうしは、サイトで連絡しあいたい。全体的にみて、Cyworldは利用者の年齢層が少し高めになっている。
「人々は目的に応じて、複数のサービスでいくつものアカウントを取得する」と、Chon氏は分析する。「われわれはほかのサービスから利用者を奪い取る必要はない。Cyworldはすでに込み合った市場に進出しようとしているという人がいるかも知れないが、われわれはほかのサービスに代わる魅力的な選択肢を提供するのだと考えている」
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