IBMがコンテンツ管理ソフトウェアメーカーのFileNetを約16億ドルの現金で買収することに同意した。両社が米国時間8月10日に明らかにした。
FileNetはカリフォルニア州コスタメーサが本社の上場企業で、2005年の年間売上高はおよそ4億2200万ドル。創業24年になる同社は、大企業向けコンテンツおよびドキュメント管理ソフトウェア分野有数の専門ベンダー。
IBMは、ゼネラルマネジャーAmbuj Goyal氏率いるInformation Management事業部で開発されるコンテンツ管理ソフトウェアにFileNet製品を統合するという。
IBMはさらに、複雑な業務ワークフローの自動化に向け、FileNetのコンテンツ管理ソフトウェアとビジネスプロセス管理ツールの統合も目指すという。
FileNet株1株あたり買収価格は35ドルで、9日の終値からの上乗せ分はわずかにしかならない。
FileNetの会長兼最高経営責任者(CEO)、Lee Roberts氏は声明を出し、今回の買収では「弊社株のこれまでの取引価格の推移から見れば、FileNetの株主には確実に上乗せがある」と述べた。
買収は第4四半期に完了するとみられている。
IBMはわずか1週間前にも、同社のソフトウェア事業部が7億4000万ドルを投じ、工場や精製所などの資産管理アプリケーションを開発する MRO Softwareを買収したばかりだった。IBMは先週、このほかにも未公開会社のWebify Solutionsを買収している。
IBMがFileNetを傘下に収める動きには、業務ソフトウェア市場の急速な業界再編という背景がある。IBMのソフトウェアグループは、ここ10年で50社以上の企業を買収してきた。
IBM、Microsoft、およびOracleなどの最大手ソフトウェアベンダー各社は特に、自社製品の品ぞろえを業務用コンテンツ管理にまで拡大しつつある。
AMR ResearchのアナリストJim Shepherd氏によると、IBMのコンテンツ管理製品とFileNetのそれとは重複部分が非常に多いという。FileNetの製品は、保険や金融サービス業界の企業がデジタル画像や各種記録の保存に利用している。
このようなことから、今回は、IBMがソフトウェアに加えてハードウェアやサービスを販売すべくFileNetの顧客を獲得することが買収の主な目的だ、と同氏は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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