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望まれるDRMの形とは?--iTunes DRM公開法でフランスが残した教訓 - (page 2)

文:Tom Jacobs 翻訳校正:吉井美有2006年07月26日 23時16分
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 それに、さまざまなプレーヤーと非互換のデジタル著作権管理(DRM)実装形式が混在する状況を打開する策が登場する可能性は大いにある。このソリューションはフランスが元々やりたかったこと、いやそれ以上のことを実現してくれるだろう。しかも、現時点に対応するだけの暫定的な法規制など必要ない。たとえば、デバイスではなく個人を認証する市場に基づいたデジタル著作権保護システムを考えることもできるだろう。これなら、消費者は、自分が所有している楽曲を好きなプレーヤーで再生することができる。

 こうしたデジタル著作権保護システムの利点は誰もが使用できるところだ。官僚の仲介など必要ない。つまり、映画や歌、写真をオンラインで配布する者は誰でも、そうしたコンテンツの配布ルールを作成できるようになる。YouTube、フォトシェアリングサイト、個人ブログなどの参加型メディアが爆発的に普及している今、この仕組みが実現すれば大きな意味を持つことになる。

 Sun Microsystemsなど多くの企業や個人プログラマーが、Open Media Commonsと呼ばれる著作権管理プロジェクトに共同で取り組み始めている。目標は、コンテンツ作成者の権利とコンテンツ購入者の利益の公正なバランスをとるDRMシステムを実現することだ。

 こういう動きに対して、DRMはすべて悪だと主張する人たちがおそらく出てくるだろう。そういう決めつけ方は単純で分かりやすいが、誰の共感も呼ばない。結局、DRMは(使い方は間違っているが)見えないところで実際に使われているし、所有コンテンツの利用方法について、消費者の混乱を招くようなルールを作成するのに広く利用されているのが現実だからだ。フランスで起こった問題の発端も、DRMは悪であるという決めつけから始まった。

 しかし、現実に目を向けてみると、何らかの形のDRMは避けられないものであるとわかるだろう。コンテンツ企業がDRMを直接には必要としていないとしても、政府は必要としているかもしれない。最近、愚かにもお上によるDRM解除を義務づける法案が多数議会に提出されている。

 だからこそ、われわれは、他国と協力して、個々のデバイスごとに実装された固有のDRMに変わる現実的な代替案を提案し、透明性が高くオープンで同時に安全性をあわせもつ仕組みを作成することを望んでいる。目的はコンテンツの利用を厳重に制限することではなく、消費者にコンテンツを利用するための鍵を配布して、すべてのデバイスで再生できるようにすることだ。

 これからは音楽だけでなくさまざまなコンテンツがオンラインでダウンロードされるようになることを考えると、この仕組みを実現することは極めて重要な意味を持つ。

 たとえば休暇期間中だけShakiraのアルバムを聞く権利を購入できる著作権保護システムがあればすばらしい。緊急治療室の医者が電子カルテを安全にチェックできるコンテンツ保護システムも必須だ。

 フランスはDRMを法律で強制的に解除しようとして失敗した。他の国には、フランスの失敗から学んで、著作権の保護を消費者の手に委ねるシステムの実現に注力してもらいたいものだ。今のところ、消費者は、高品質のiTunesサービスと自分で購入した大事なiPodを組み合わせて使用することに十分に満足しているのだろう。当たり前のことだ。しかし、CompuServeのような排他的なシステムではなくWebと同じオープンなプラットフォームが出現し、現在のiTunesとiPodの組み合わせとの二者択一を迫られたら、消費者は、政治家の助けなど借りなくても、ほどなくクローズドなシステムに見切りをつけるのではないだろうか。

著者紹介
Tom Jacobs
Sun MicrosystemsのSun Labsでエンジニアリングディレクターを務める。

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