サーバ分野におけるマルチコアプロセッサや仮想化といった新技術の普及を受け、IBMはサーバソフトウェアの価格設定方法を抜本的に改定する。
IBMは米国時間7月25日から、実際のプロセッサ数ではなく「プロセッサバリューユニット」に基づいて課金する。当初は「呼び方が変わるだけ」といった程度の変化で、大幅に料金が変わるものではないが、将来的には、ソフトウェアの費用とソフトウェアを実行するコンピュータの能力は、より緊密に対応することになる。
今回の改定の前にも、コンピューティング業界では、ソフトウェアの価格設定が明確に新技術を反映するものにしようとする動きはあった。これは、コンピュータのハードウェアの基本性能を表すかつての単純な原則が、新技術によって変容しているためだ。単体のコンピュータが分散処理もせずにソフトウェアを実行していた時代は、1個のプロセッサが単純に演算能力の1単位だった時代と同様に、急速に過去のものになりつつある。
当面は、IBMのサーバ製品の実質的な価格は変わらないだろう。だが、以前なら顧客企業が1件のソフトウェアライセンスを購入するようなケースで、今後は、企業は100単位のプロセッサバリューユニットを購入することになる。1個のデュアルコアプロセッサ「Xeon」で「DB2」データベースを実行するためには、100単位のプロセッサバリューユニットを購入しなければならない。Xeonが2個搭載されたシステムの場合は、200単位のプロセッサバリューユニットを購入する計算になる。
「今後は、新しいプロセッサが登場するたびに、それらの測定を行い、性能に基づいてプロセッサバリューユニットの数値を設定することになる」と、IBM広報担当者のJeff Tieszen氏は述べた。性能スコアは、独立系調査会社Ideas Internationalのアナリストが承認する標準的な性能テストに基づいて計測される。
IBMは将来的に、利用した分だけ料金を払う「ユーティリティコンピューティング」モデルに移行する予定だ。「将来は、そういうやり方で仮想化技術に取り組むことになる。これについて現時点では明言しないが、その方向を目指すのは確かだ」とTieszen氏は述べた。
IBMはまた、2005年に買収したCIMS Labの技術をベースにした新ソフトウェア「Tivoli Usage and Accounting Manager」(ITUAM)の販売も開始した。ITUAMを利用すれば、管理者は特定のジョブがコンピュータリソースをどれだけ使用したかを正確に把握できる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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