Sun Microsystemsは、x86サーバ製品ラインの第2弾として、上位モデルにあたる3機種を米国時間7月11日にリリースする予定だ。今回の各モデルは、x86サーバ市場へのSunの取り組みと意気込みを示すものになる。
Sunは2005年9月、Advanced Micro Devices(AMD)の「Opteron」をベースにしたx86サーバファミリ「Galaxy」(開発コード名)を発表し、第1弾として、業界で主流となっている最大2個のプロセッサを搭載可能なモデルをリリースした。しかし、今回投入する3機種は、さらに先を行く設計になっている。
まず1つめが、性能を大幅に強化した8ソケット対応の「Sun Fire X4600」(開発コード名「Galaxy4」)だ。2つめは、高さ33.25インチ(84.5センチ)の大型シャーシを用いた「Sun Blade 8000」(開発コード名「Andromeda」)で、これには4ソケットのブレードを10枚まで収納できる。そして3つめが、24テラバイトという途方もないストレージ容量が異彩を放つ2ソケットの「Sun Fire X4500」(開発コード名「Thumper」)だ。
X4600の価格は、2.4GHzのOpteronを4基搭載したモデルが2万5995ドルで、2.6GHzのデュアルコアチップを8基備えた最大構成モデルでは6万7495ドルとなる。X4500の価格は3万2995ドルからで、ストレージ容量24テラバイトのモデルが最も高い6万9995ドル。Sun Blade 8000は、シャーシとローエンドのブレード1枚を備えた最小構成が1万9940ドルからで、2.6GHzのデュアルコアOpteronを4基備えたハイエンドのブレード1枚と64Gバイトのメモリを備えたモデルが4万7315ドルになる。
これらの新製品の投入により、x86サーバ市場で2006年末までに第4位の地位を確保するという目標に、Sunがどれほど近づけるかはわからない。あるいは、より長期的に見て、Sunが全体的な売り上げの伸びや収益性を回復できるかどうかも不明だ。しかし、これら3製品は、自社のx86製品に注目を集めたいSunの懸命の取り組みを示すものだと、調査会社IlluminataのアナリストJonathan Eunice氏は述べている。
「各製品それぞれに、際立つポイントがある。Sunは、対象とする分野のそれぞれで、非常にユニークな部分やクラス最高となるものを盛り込んでいる。同社は、単なる右へ倣えの姿勢をとっていないことを明確にしているのだ」(Eunice氏)
Sunがx86サーバ市場に参入したのは遅く、当初は製品面でもマーケティング面でも積極性に欠ける姿勢だった。しかし同社の『Solaris』OSのプラットホームをx86サーバに本格的に拡張する決断をしたことで一気にx86を重要視するようになった。
遅れを取り戻すべく、Sunは新興企業Kealiaを買収し、これと同時に、Sunの共同設立者Andy Bechtolsheim氏がKealiaからSunに復帰した。また、首位の座をIntelから奪いたいAMDと強固な提携関係を築くため、サーバへのIntelプロセッサの搭載を取りやめた。マーケットシェアではIntelの後塵を拝するAMDだが、現在ではOpteronがIntelの「Xeon」より優れていると一般的には評価されている。
こうした動きによって一からサーバ開発に乗り出すよりは速く進んだとはいえ、当初の計画通りに展開するというわけにはいかなかった。SUNxは5月、x86サーバ部門と「Sparc」サーバ部門を統合してシステム部門とすることを発表し、これまでx86サーバ部門を率いてきたJohn Fowler氏を、責任者として任命した。Fowler氏は2004年6月時点で、2005年7月に終わる「会計年度中にシステム部門の全製品ファミリをリリースしたいと考えている」と述べていた。だがそれ以後、1年以上遅れてリリースされはじめている状況だ。
11日に発表された3製品をもっても、製品ファミリはまだ完全ではない。巨大なSun Blade 8000システムは、より小型のモデルが続く予定だ。「2ウェイブレードに最適化された、異なるシャーシサイズが登場するだろう」とFowler氏は述べ、2個のプロセッサソケットが付いたモデルが「2007年初め」に登場するだろうと語った。
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