Sunがブレード製品に挑戦するのは2度目となる。初めて送り出したのは現在の大型路線とは対極にある、高さ5.25インチ(13.1センチ)のシャーシ「Sun Fire B1600」に、ローエンドブレードサーバ「Sun Fire B100s」を最大16枚装着できる製品だった。しかしブレード製品市場の先頭を走るIBMとHewlett-Packard(HP)に切り込むことはできず、これはSunの製品リストから静かに姿を消した。
Sunのブレードサーバは同社のどのシャーシにも合うため、「Niagara II」(開発コード名)プロセッサの2007年のリリース、およびハイエンド向け「Rock」(開発コード名)プロセッサの2008年のリリース予定に合わせて、「UltraSparc T1」プロセッサ搭載のブレードサーバにもスポットを当てる計画だ。
Sun Blade 8000は、主な競合となる高さ15.75インチ(約40センチ)のIBM「BladeCenter H」や、高さ17.5インチ(約44.5センチ)のHP「BladeSystem c-Class」と比較すると大型だ。この両製品はともに第2世代のシャーシ設計で、2006年になって発表された。IBMの製品は4ソケットブレードを最大7枚、HPは8枚装着できるのに対して、Sun Blade 8000は10枚まで装着可能だ。
ブレードサーバは「PCI Express」入出力(I/O)システムで外部とやりとりする。ブレード設計の1つの利点は「I/Oを含め完全にステートレス」なことであり、これはつまり手間のかかる再設定の必要なしに、タスクを簡単に1つのブレードから他のブレードに切り替えることが可能ということだ、とInsight64のアナリストNathan Brookwood氏は語っている。
Sunは、今がマルチプロセッサx86サーバの投入に適した時期だと確信している。こうしたシステムはこれまで登場しては消えていった。DellもHPもともに8ソケット設計をあきらめた経緯もある。これに対して、プロセッサが1基か2基のマシンは急速に増えていった。だが、Sunはここにきて事情がかわっているとみる。
まず第一にSunは、多くの企業は1つのサーバ上で多くのOSを稼動できる仮想化技術の導入を望んでおり、単一のマシンを複数の小型マシンに変えつつあるという見方において、32ソケットの「IBM server xSeries 460」サーバを販売するIBMと同じ意見を持っている。このようなアプローチで、消費電力、管理人員、設置スペースを節減できると、Brookwood氏は述べている。
第二に、Sunはx86マシンと信頼性の高いOSであるSolarisとの組み合わせによって、ほかのOSでは作業負荷でクラッシュしかねないような場合でも、スムーズに処理できるとSunは確信している。ローエンドシステムが数としてはたくさん販売されているとしても、同等の金額が少数のハイエンドシステムに費やされていると、Fowler氏は語った。
HPの見解は異なる。「現在、全x86サーバの99.8%は1ソケットないし4ソケットだ。IBMが投資していようと、今の8ソケット市場は、出荷されたユニットの0.7%にすぎない。Sunがこの路線へ進もうとするとは私には思えない」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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