オンラインゲームの「本場」で活躍するサイバーステップの強さの理由

永井美智子(編集部)2006年07月05日 07時00分

  オンラインゲームの開発、運営を手がけるサイバーステップが7月5日、東京証券取引所マザーズに上場する。オンラインゲーム専業会社としては、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、ゲームポットに次いで3番目の上場企業となる。

 今回の上場によりサイバーステップは約4億3800万円を調達する。このうち2億7800万円を設備投資に、残りを研究開発費に充てる計画だ。

 国内のオンラインゲーム企業の多くが韓国で開発されたタイトルを輸入して展開するなか、サイバーステップは日本で開発したタイトルを韓国で展開して人気を集め、業績を伸ばしている珍しい存在だ。現在では韓国のほか、中国、台湾、タイ、インドネシア、日本の6地域でサービスを提供しており、同社の主要タイトルである「GetAmped」の登録者数は世界全体で1600万人以上という。

 サイバーステップはどのようにして自社タイトルの開発や海外展開に成功し、そして今後はどのような成長戦略を描いているのだろうか。代表取締役社長の武内重親氏に話を聞いた。

--サイバーステップはどのようにして設立されたのでしょうか。

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 創業者で代表取締役会長の佐藤(類氏、現在28歳)が「みんなで遊べる環境をインターネット上に作りたい」と考え、同じ年代の仲間と一緒に2000年に設立しました。

  創業当時から変わらないキーワードが3つあります。ネットワーク、コミュニケーション、エンターテインメントです。ちょうどインターネットが普及し始めた頃だったので、それを自分たちの核にしようと考えました。それから、創業者自身が仲間と力を合わせて開発を進めてきたこともあり、いろんな人たちが集まることで新しいことができるコミュニケーションの場を提供しようということになりました。また、創業者がちょうどファミコン世代ということもあり、コミュニケーションの中でもエンターテインメントの分野に特化しています。

 最初に作ったのはゲームではなくて、Javaを使ったネットワークアプリケーションの開発環境である「Oni」というものでした。インターネット上では情報の伝達にどうしても遅れが出てしまうけれども、それをリアルタイムにやり取りしているかのように表現できるものです。

 これを当時、ゲーム会社に売ろうとしたんですが、「安ければ買うよ」と言われるだけで売れなかった。そこで、どういうことができるのかを見せるためにOniを使ったオンラインゲームを作ったんです。

--その後、韓国で自社開発した対戦型アクションゲームのGetAmpedが人気となりましたね。

 今から5年ほど前ですから、まだ日本では時期が早すぎて、オンラインゲームの市場がなかった。当時はまだ常時接続サービスが普及していなかったので、プレイするのに通信料金がかかりすぎてしまうという問題があったんです。

 そこでどうしようかと考えたときに、「世界のどこかには市場があるはずだ」と調べていたら、韓国でオンラインゲームがはやり始めているということが分かった。そこで、パートナーを探して本格展開することにしたんです。

 そのとき、韓国の他社と同じことをしてもうまくいかないと考え、当時まだ珍しかったアイテム課金(※編集部注:月額の利用料金は無料とし、ゲーム内のアイテムを販売することで収益を上げるモデル)を採用しました。もともと、キャラクターの洋服や武器、動き方などをユーザーが変えられるような設計になっていて、アイテム課金に適した形だったということもあります。韓国で商用サービスを開始したのが2003年5月ですので、韓国でもアイテム課金を最初のほうに始めたうちの1社だったと思います。

 韓国は家庭用ゲーム機が規制されていましたし、スーパーマリオのようにキャラクターが動いてスピード感があるようなゲームがオンラインにはなかった。ロールプレイングゲーム(RPG)が主流だった市場に、まったく新しいジャンルのゲームを持ち込んだのです。

 RPGだとプレイするのに多くの時間を費やす必要があるけれども、アクションゲームは30分くらいでも楽しめる。こういったゲームを提供したことで、幅広い層に受け入れられ、ゲーム市場を広げるのに役立った。それが成功につながったと思いますね。

 また、韓国で人気が出てくると、アジアの他の国でも現地の企業から展開したいという要請が寄せられるようになる。このため、いまは中国、タイ、台湾、インドネシアでもサービスをしています。ゲームがシンプルだからこそ、いろいろな国で受け入れられ、親しまれているんだと思います。これからはもっといろいろな地域でもゲームを楽しんでもらえるように多国籍展開していきます。

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