東京商工会議所と広域渋谷圏クリエーターマッチング有限責任事業組合(広域渋谷圏クリエーターマッチングLLP)は6月30日、クリエーターと企業のマッチングを目的としたソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「xshibuya(クロスシブヤ)」とウェブサイト「xshibuya」のベータ版を一般公開した。
SNSの利用には、既存ユーザーからの招待が必要だ。ユーザーには日記、メッセージ、コミュニティ、足あとといった、一般的なSNSで提供されている機能を一通り用意する。一方、ウェブサイトでは、SNSの紹介をするほか、ウェブ上に渋谷周辺の地図を表示し、その中でアーティスト自身が作品を公開できるバーチャルギャラリーなどのサービスを予定している。
xshibuyaを運営する広域渋谷圏クリエーターマッチングLLPは、東京商工会議所渋谷支部のITベンチャー支援事業である「広域シブヤ圏ベンチャー支援ネットワーク形成事業」がきっかけで設立された。東京商工会議所渋谷支部では、クリエーター産業やIT産業が集まる渋谷区や港区の企業のために、IT人材育成やクリエイティブ産業とのマッチング支援を目的とした研究会活動を展開してきた。
広域渋谷圏クリエーターマッチングLLP代表で研究会にも参加していた本荘修二氏によると「研究会での活動の結果、参加者に共通の問題意識があった」という。ウェブデザインやCG、動画といったクリエーターのニーズは増加しているもののネットワークが確立しておらず、またクリエーター同士のコミュニティがあったとしても、同業種かつ少人数のものしかなかった。そこで、多種のクリエーターや企業が集い、コミュニティなどを通じてビジネスのために話し合いができる場を提供するためにLLPを設立し、SNS利用者を提供開始したという。
LLPを設立した経緯については「NPOとしてサービスを提供することも検討したが、手続き上面倒で司法書士なども必要。そこでちょうど認可されたばかりだったLLPという形式にした」と説明する。運営自体は東京商工会議所が行い、広域渋谷圏クリエーターマッチングLLPにその運営を委託するという体制になる。東京商工会議所がベンチャー企業を支援することについては本荘氏も「今まで聞いたことがない新しい試み」だという。
LLPには東京商工会議所をはじめウェブデザインなどを手がけるスーパー・スタジオ、SNSのASPを提供する手島屋、ベンチャーキャピタルのネットエイジキャピタルパートナーズが参加するほか、研究会の有志も個人で参加している。
収益面では、クリエーター向けソフトウェアなど、ユーザーのターゲットを絞った広告を販売する。また、サポーター企業を募集し、ユーザーからの意見をマーケティングツール的に利用してもらうといったことを検討する。
本荘氏は「アキバ(秋葉原)は世界的に有名になったが、シブヤも(ビットバレーをはじめ)情報の発信地としても認知されている。そのシブヤを世界に誇れるものにしていきたい」と語る。xshibuyaは10月までに正式版サービスを提供し、2007年3月までに1万ユーザーを目指す。
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