マーケティングサービス企業Interpublic Group(IPG)が、ソーシャルネットワーキングサイトを運営するFacebookと提携し、若年層市場に向けたオンライン広告事業を進めていくことを明らかにした。
FacebookのマーケティングディレクターMelanie Deitch氏がCNET News.comに語ったところによると、IPGはFacebook.comに対し、1000万ドルにおよぶ広告費援助を行っているという。さらにIPGは、Facebookの全株式のうち0.5%未満を取得することにも同意している。その見返りとして、IPGはFacebookのソーシャルネットワーキングサイトにおける市場リサーチやアンケート調査およびプロモーション、「スポンサーシップを含む各種のパイロットプログラム」などに関わっていく。
IPGの最高経営責任者(CEO)Michael Roth氏は、「当社のクライアントの多くにとって、Facebookのユーザーは、取り込むのは難しいが非常に重要な顧客になる可能性のある層だ。年齢が若くテクノロジーに詳しい消費者は、伝統的なメディアは避け、みずからとみずからが属すコミュニティの存在意義をオンライン上で示すようになっている」と、声明の中で述べた。「Facebookは、米国でもトップ10に入るアクセス数の多いサイトである」(Roth氏)
Facebookのサイトへの広告出稿スタイルはほぼ確立しているが、IPGはここに新たな企業を加えていこうと考えているという。現在Facebookは、一般的なバナー広告や局所的な宣伝を提供し、「Facebook Sponsors」と呼ばれる制度を運用している。Facebook Sponsorsとなった企業は、「Sponsored Groups」という仕組みを通して、Facebookのメンバーと一見無作為に見える形で関わり合うことができる。例えばMicrosoft Student Groupは、無料の販促用ソフトウェアや大学でのイベント情報、Microsoft社員からのビデオレターなどを提供し、フィードバックも受け付けている。
Facebookサイト上の同グループのページには、「わたしたちの活動は一方通行ではありません。コメントや質問があれば、どんどん投稿してください。必ずお返事します!」と書かれていた。
IPGのクライアントの大半にとって、こうした宣伝スタイルは異端と言ってもよいものだ。ソーシャルネットワーキングサイトの寿命については、懐疑的な見方をする人が多い。だが、そうしたサービスの将来性を信じる向きもある。MySpaceと競争を繰り広げているFacebookは今年4月に、2500万ドルに上る第2次投資を獲得している。
「われわれと同じく、顧客理解に大きな戦略的重点を置いているという点で、IPGは貴重なパートナーだ。19歳から24歳までの層は実態をつかむのがきわめて困難だが、これをうまく進めていくためには、顧客理解が何より重要になる」(Deitch氏)
もっともFacebook自身は、対象にしづらいとされる同年齢層から十分な認知を得るようになっている。学生向け市場のリサーチを行うStudent Monitorが6月に実施した調査では、大学生の71%がFacebook.comをキャンパスで「流行っているもの」として挙げたという。一方MySpaceは、58%の支持率だった。1位は「iPod」に譲ったものの、Facebookはビールとともに第2位につけている。
ちなみに、Facebookではビールの広告を目にすることはない。
「ギャンブルや銃器、タバコ、アルコール、ポルノグラフィーなどの広告は、一切許可しない方針だ。オンラインポーカーの人気が高まっているようで、そうしたサイトから常に出稿依頼を受けるのだが、必ず断っている」(Deitch氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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