ニューヨーク発--第3世代モバイルネットワーク構築に向けた投資を終えたばかりのSprint Nextelが、既に第4世代ネットワークの話を進めている。
Sprint Nextelの最高経営責任者(CEO)Gary Forsee氏は米国時間6月27日、当地で開催されたYankee Group Research主催のWireless Leadership Summitで基調講演を行い、65億ドルを投じたNextelとの合併を26日に完了したばかりの同社が、顧客への新サービス提供に向け既に次世代ワイヤレス技術に目を向けていることを明らかにした。
Forsee氏は、第4世代(4G)ネットワークで採用する技術や、提供するサービスさえも明言しなかった。しかし同氏は、4Gが実現に向けて順調に開発が進んでいること、そしてこれがSprint Nextelのビジネスモデルに大きな影響を与えることを強調した。
「4Gではコストパフォーマンスが10倍に達する。コストパフォーマンスが10倍というのは非常に重要なことだ」(Forsee氏)
Sprintは、Evolution-Data Optimized(EV-DO)と呼ばれる技術をベースにした3Gネットワークの構築に数十億ドルを投資してきた。同社では、このサービスをわずか1年前に提供開始したばかりで、2005年後半から2006年前半にかけて同ネットワークの拡張に取り組んでいた。
400〜700Kbpsの平均ダウンロード速度を誇る同ネットワークは、携帯電話の受信エリアであればどこでも、ウェブの閲覧やデータのダウンロード向けに十分な帯域幅を提供する。今のところ、同サービスはノートPCでの利用が大半となっている。しかし、これをサポートする携帯電話機もあり、消費者らにダウンロード音楽、ゲーム、およびテレビ放送が提供されている。
しかし、EV-DOはSprintにとって始まりに過ぎない。同社は2.5GHz周波数帯における優位性を利用して、新しい4Gワイヤレスサービスの提供も計画している。Sprint Nextelはまだ複数の技術をテストしているところだが、その最有力候補が平均1〜4Mbps、そして最高約20Mbpsのデータダウンロード速度を誇るWiMAXだ。
今後、通信事業者が高帯域幅を要求するモバイルTVなどのアプリケーションを追加してくれば、帯域幅の増加や、新しい4G技術の開発が重要な意味を持ってくる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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