Maxthonは2006年夏に新バージョン「Maxthon 2.0」を公開する予定である。これはテレビのピクチャーインピクチャー機能のように、ウェブサーファーが同時に複数のサイトを閲覧できる「パラレルブラウジング」機能を含む予定である。Maxthon 2.0ではまた、表示を切り替えずに、テキストをあるページから他のページにコピー&ペーストすることができるようになる。Jacobsson氏によると、将来的に利用者はMaxthonを各自の情報ポータルとしてカスタマイズすることができるようになると言う。
ブラウザ戦争は遠い昔に終わったように見る向きも多いものの、Maxthonが多数のファンを獲得し人気が上昇していることは、ウェブブラウザ市場における革新がまだ続いていることを認識させてくれると、アナリストらは述べている。
Forrester Researchによると、MicrosoftのInternet Explorer(IE)は米国のブラウザ市場の60%近くのシェアを占めているという。また様々な推定によると、IEは世界市場では85%のシェアを誇っているという。それにもかかわらず、ブラウザ市場には争いの余地がまだ存分に残されているようだ。
Jupiter Mediaのリサーチ担当バイスプレジデントを務めるMicahel Gartenberg氏は、ブラウザをこのように表現した。「誰も気に掛けないが、最も重要なスペースである」
「Netscape」の流れを汲むFirefoxは2005年、IEの独占に食い込んだ。Firefoxは2年足らずで1億3000万回以上ダウンロードされている。「Opera」「Netscape」「Flock」、Apple Computerの「Safari」は各製品とも熱心な愛好家を獲得したが、いずれもIEを打倒するには至っていない。Firefoxの脅威にさらされたMicrosoftは今、「IE 7」の準備を進めている。
「ブラウザ戦争は継続しているが、最近では世界紛争というよりは国境付近の小競り合いといった感がある。何しろブラウザを売ることで金儲けができないためだ」とGartenberg氏は言う。
IT投資家のなかには、ブラウザがインターネットの将来にとって不可欠であることを忘れるべきでないと言う者もいる。正しく活用されれば、人々はウェブおよびデスクトップ上の情報により用意にアクセスできるようになるという。
「ブロードバンドそしてAJAXやRSSといった技術の到来により、ブラウザの役割が単なるリーダーから、利用者によるカスタマイゼーションの場へと変わりつつある」とCharles River Venturesのベンチャーキャピタリストであり、Maxthonの出資者でもあるWilliam Tai氏は述べている。
「最初にクリックされるのはブラウザである。これはウェブの計器パネルである」と同氏は付け加えた。
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