Microsoftが、海賊版対策ツールの報告機能を無効化しようとしている。
Microsoftの関係者は米国時間6月9日、同社が6月中に「Windows Genuine Advantage(WGA) Notifications」プログラムをアップデートし、これまではコンピュータを起動するたびにMicrosoftへ報告を届ける仕組みになっていたものを、2週間に1度の頻度へ変更する予定だと述べた。さらに2006年末までには、こうした連絡システムは完全に廃止されるという。
同海賊版対策ツールはスパイウェアと変わらないというある批評家の発言が、今回の機能変更の背景にある。この批評家は、同ツールがPCにインストールされているWindowsのライセンスの正規性を確認し、Microsoftに毎日報告していることを突き止め、問題にしていた。Microsoftは、同ツールのこうした報告機能に関する技術文書を一切公開していなかった。
Microsoftは先週初めに、WGA Notificationsの動作について詳細を明らかにすると言明した。現在は、同ツールがWindows PCにインストールされていても、連絡機能が動作しないよう徐々に改良を施していくと述べている。
同社がウェブサイトに掲載した声明には、「同機能の仕様を変更し、新しい設定ファイルのチェックは14日ごとに行うようにする。WGA Notificationsは今年後半から世界各地での提供が始まるが、その時点では同機能を無効化しておくつもりだ」と記されていた。
Microsoftは、こうした定時報告によって同社に重要なデータが送信されることはないと主張している。最初の確認作業ではMicrosoftにシステム情報が報告されるが、その後の定期的なチェックは新たな設定ファイルのダウンロードのみを対象としているのだという。
Microsoftは2004年9月にWGAを発表し、それ以降、海賊版対策プログラムを少しずつ拡大してきた。現在では、「Windows Media Player」や「Windows Defender」といったMicrosoftのソフトウェアをWindowsユーザーが追加ダウンロードする前に、ライセンスの確認を行うようになっている。なお、セキュリティパッチを取得する場合は、こうした確認は必要とされない。そもそもWindowsの正規性確認は、Microsoftソフトウェアを新しくダウンロードするときだけに行われていたのだが、2005年11月からは米国を含む多数の国で、セキュリティアップデートとともにWGA Notificationsツールの配布が始まった。
ユーザーによって「WGA Validation」機能が初めて起動されると、利用中のWindowsが正規版であるかどうかがチェックされ、「Windows XP」のプロダクトキーやPCメーカー、オペレーティングシステムのバージョン、PCのBIOS情報、ユーザーが選択している言語などのデータがMicrosoftに送信される。Microsoftは、WGAツールのライセンス契約の中で、これらの情報が同社に提供されることを明らかにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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