Novellの取締役会は米国時間6月22日、最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)を解任した。Jack Messman氏に代わって新CEOにはRon Hovsepian氏が選出された。
同社の幹部らは22日に開いた電話会議で、今回の人事について、Linux事業の業績が低調であることを受けて、会社の成長を加速させられる体制が必要になったと説明している。
取締役会会長に新たに選任されたThomas Plaskett氏は22日、「取締役会の判断は、現時点において純粋にだれが会社のトップに最適かとの考えに基づいたものだ」と語った。
45歳のHovsepian氏は、最高業務執行責任者(COO)に2005年の秋に任命されたばかりだった。同氏は、Novell創業当時から役員を務めるMessman氏(66歳)の後継者候補と目されていた。
Hovsepian氏は22日付けででCEOに就任した。これまで会長も兼任していたMessman氏は、10月末まで取締役会に残る。
新たに取締役にも選任されたHovsepian氏は、IBMに17年在籍し、管理職や役員職を務めた後、2003年6月に北米事業部プレジデントとしてNovellに入社した。
また、解任されたCFOのJoseph Tibbetts氏に代わり、現在の財務および企業監査担当バイスプレジデントDana Rusell氏が暫定CFOを務める。
かつては業界で有数のPCソフトウェアベンダーだったNovellは、ここ3年間、オープンソースソフトウェアを中心とした戦略を展開している。同社では、Linuxベースのソフトウェアサポートを行うほか、クローズドソースのID管理製品やセキュリティ製品も扱っている。
だがNovellは、オープンソース戦略への移行で成功を収められず、一部の金融アナリストはMessman氏の解任を求めていた。
Hovsepian氏は22日、戦略の取り組み範囲を絞り込んで、業務を改善していく意向を示した。
Hovsepian氏は「CEOとして、戦略の実行スピード改善と、戦略の背景にある優先案件に取り組むことだ」と語り、同社が大きな課題に直面していることを付け加えた。
Plaskett氏によると、幹部の入れ替えは財務不正などによるものではないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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