ボストン発--Microsoftのオンラインサービスブランド「Live」が、ウェブブラウザだけにとどまらず、Windowsの内部にまで進出している。
Microsoftは先週、ウェブベースの「Windows Live ID」認証サービスをWindowsアプリケーションに埋め込むソフトウェアを、ひそかに公開していた。Windows Live IDは、ユーザーがウェブサーバにログインする際の名前とパスワードを確認するホスティングサービスである、「Microsoft Passport」の後継サービスとして位置づけられる。
Windows Live IDチームのプログラムマネージャーLynn Ayres氏によると、Microsoftは2006年後半に、Windowsアプリケーションに同サービスの機能を実装するソフトウェア開発者向けキット(SDK)のベータ版をリリースする予定だという。
今のところWindows Live ID認証サービスは、「Windows Live Mail」および「Windows Live Messenger」といった、Microsoftのウェブベースアプリケーションと連係する仕組みになっている。
「Windows Live ID Client SDK」と称される同開発者向けキットを提供することで、Microsoftはウェブベースのホスティングサービスと「リッチクライアント」的なWindowsアプリケーションの連係性を高めようともくろんでいると、Ayres氏は述べた。
例えば開発者は、Eコマースサイトで買い物ができるボタンを持つWindowsアプリケーションを記述することが可能になるという。こうしたWindowsアプリケーションを用いて買い物をする場合は、エンドユーザーのセキュリティ情報を確認するWindows Live ID認証ウィンドウがポップアップ表示されることになる。
2006年初頭に公表されたWindows Live ID関連のホワイトペーパーには、「同SDKの利用によって、Windows Live IDの認証を行う新たなクライアントアプリケーションを開発し、認証状態の情報を複数のリッチクライアントおよびブラウザに共有させることが容易になる」と記されていた。
Microsoftはまた、ウェブサイト運営者が同社のWindows Live IDサービスを利用できるようになる別の開発者向けキットについても、作業を進めている。こちらのSDKは、「Simple Object Access Protocol」を含む標準ベースプロトコルを使用するという。
先日開催された「TechEd」カンファレンスでは、サードパーティ開発者の協力を得てWindows Liveサービスの収益性を向上させる戦略の詳細が、新たに何点か明らかになった。
基調講演を行ったRay Ozzie氏は、Bill Gates氏の後任として最高ソフトウェアアーキテクトに先週任命された人物である。同氏は、IT専門家やソフトウェア開発者が、ウェブ検索やネットワーク認証といったMicrosoftのホスティングサービスをどのように活用できるのかについて説明した。
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