ポストゲイツ時代を築く2人に聞く--マイクロソフトのこれから(前編)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月19日 08時00分
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 ワシントン州レドモンド発--Gates氏は米国時間6月15日、2年後を目処にMicrosoftでのフルタイムの仕事を辞める意向を明らかにした。このとき同氏は、自身が担当してきた技術部門の統括を、最高技術責任者(CTO)である2人の人物に託すと述べた。

 そのうちの1人であるCraig Mundie氏は、長らくMicrosoftに勤めてきたベテラン。同氏はMicrosoftの研究部門を率いるほか、技術関連の対外的な広報活動も担当する。

 一方のRay Ozzie氏はより重要な役割を与えられた。Lotus Notesの生みの親でもあるOzzie氏は、Microsoftに入社して間もない身でありながら、チーフアーキテクトに就任する。同氏は自身の経営するGroove NetworksがMicrosoftに買収されたことを受け、2005年にMicrosoftに入社した。Ozzie氏はLiveサービスをはじめとする重要な取り組みを任されるなど、これまでもMicrosoftの命運を左右する業務をまかされてきた。

 Ozzies氏とMundie氏は米国時間6月15日、CNET News.comの取材に応じてくれた。

--Ozzieさんに質問です。これまで大半の時間をサービス戦略の立案に費やしてこられましたね。今回の人事で、あなたの仕事はどう変わると思いますか?

Ozzie氏(以下、敬称略):おっしゃる通り、ここ6〜8カ月間は個々の案件についてサービス戦略を立案する仕事をしてきました。このおかげで、社内のたくさんの部門と接触することができました。どんな製品であれ、何らかの形でサービス化の波と関わりがあります。これまでMicrosoftでやってきた仕事は、社内の人々やプラットフォームを知る良い機会になりました。社内にはサービスと関係のないところで、問題を抱えている箇所が複数あります。Liveサービス以外の部分に存在するプラットフォームの問題などです。今回の人事で責任範囲が拡大し、これからはストレージ戦略やプレゼンテーション戦略についても考えていかなければなりません。

--まずはサービス化の完了を優先するつもりですか?

Ozzie:その通りです。 もっとも、この仕事に終わりはないのですが。Microsoftはこれまで、クライアント型か、クライアントサーバ型の製品を提供してきましたが、これからは、クライアント、サーバ向けの製品に加えてサービスが提供されます。これは会社の方向性が転換してきていることを意味します。

--引き続き、サービス戦略の総責任者も務めるのですか?

Ozzie:その通りです。

--Windowsの将来像を考案したり、サービス化の対象に恐らくは分類されていながら未だ実現できていない製品について検討に加わるタイミングはいつになりそうですか?

Ozzie:Microsoftでは製品ごとに異なるタイムスパンが設定されています。たとえば現在、WindowsとOfficeの出荷準備を進めていますが、いったん製品の出荷が始まれば、チームは次の計画のサイクルに入ります。このときこそ、検討に加わる良いタイミングだと考えています。モビリティ製品は別の出荷サイクルで動いています。こちらのチームは半年毎にメーカーやモバイル事業者向けに新版をリリースしていますので、検討に加わるタイミングはたくさんあります。

 Windows LiveとMSNはリリースがもっと頻繁に行われるので、わたしも既に複数の案件について検討に加わっています。

--Bill(Gates)氏や、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏から今回の人事について初めて聞かされたのはいつですか?

Ozzie:わたしが経営していた会社はおよそ1年前にMicrosoftに買収されました。Craig(Mundie)と当時のシニアスタッフたち、そしてわたしは、Steve(Baller)が今回のような人事を考え始めていることを知りました。各部門毎のプレジデントの配置について、あれこれと考えたのだと思います。その後、われわれとディスカッションを重ねるうちに、具体的な絵になっていきました。これと言って明確に伝えられるというよりは、あいまいな形で知りました。

 3月になって、それぞれのメンバーの役割が具体的になってきました。Billが最終決断を下すタイムフレームが決められたのもこの頃です。Billが最終決断を下したのは13日のことでした。

--Craigさんに質問です。最高技術責任者(CTO)の時代から、チーフアーキテクトの仕事にも関わっていたのですか?

Mundie:わたしの人事は、ある意味で分かりやすいものでした。Billがやってきたことのうち、自分も関わってきたことについて話しますと・・・ここ8年間は、研究や知的財産関連の業務やポリシーの立案をBillとともに行ってきました。これからの1年間で、管理責任のあり方など、あらゆる仕事の引継ぎが完全かつスムーズに実施されるでしょう。責任は増えますが、仕事の担当エリアはこれまでもBillの近くでやってきた内容ですから、心配していません。

--Microsoft Researchはすばらしい研究所です。しかしながら、Microsoftは随分長い間同じ製品、すなわちOfficeとWindowsから収益を上げてきました。ビジネスをドライブする部門に変わるため、研究部門に何らかの手入れをする必要はありませんか?

Mundie:Microsoft Researchでは膨大な量の技術を製品に移植しています。主要製品をみると、研究部門で生まれた技術が非常に多く含まれていることが分かります。WindowsやOffice環境に見られるインターフェースや検索、ヘルプ機能、自然言語処理などは全て研究部門から生まれた技術です。このように研究部門も利益に貢献しています。しかし、それだけではありません。研究部門の成果物は、Microsoftが多くの分野で他社との差別化を図り、リーダーシップを図るうえで重要な役割も果たしています。

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