ポストゲイツ時代を築く2人に聞く--マイクロソフトのこれから(前編) - (page 2)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月19日 08時00分

 ここ数年間をかけて、Rick(Rashid氏)とBillが、研究の対象分野を55種類ピックアップしてきました。これらの研究成果も広く製品に適用されてきました。もちろん過去には、注目されながら製品に移植されなかった技術もあります。

 わたしは数カ月前、北京にある研究所の記念式典に参加していました。北京の研究所は、製品グループに移行した技術の数を追跡しています。

 研究所開設後の7〜8年間で、この数字は212件にものぼっていたと記憶しています。これはあくまでも例ですが、1つの研究所でこれだけの数の技術を製品に適用していることを示しています。新製品がまるごと研究所で作られているわけではありませんから、人々はそこに研究所の技術が含まれていることになかなか気付きません。もっとも、この部分は研究部門が作ったもので、この部分は製品部門から出てきたものなどと分けることなんてできませんが。

--Ozzieさん、先程はあなたの役割や、新しい業務に入るタイミングと製品サイクルの関連性について話を聞きました。遠くない将来、検索戦略や、Googleが提供しているようなサービスに専念する人間を直下に配置する予定はありますか?世間はMicrosoft対Googleの戦いを固唾をのんで見守っています。Googleに対する戦略を専門に立案する人間は必要ではないでしょうか。

Ozzie:Googleに対抗する戦略の必要性については、わたしにも分かりません。Googleに対する戦略というのは、つまり、検索や検索広告といったサービスのことですね。これに関して言えば、社内には検索を専門に行ったり、広告を専門に行ったりする部門があり、Microsoft Researchとも密接に連携しています。Microsoft Researchでは広告や詐欺検知、検索、アルゴリズム検索などの研究が行われています。

 ですから、ここではむしろ、部門のリーダーシップが問題です。マクロレベルの検索に関する戦略について言えば、多面的なアプローチを仕掛けてくるライバルがいるのであれば、これに対抗する戦略を打ち出すのはわたしの仕事です。

--自信の程を教えてください。(Googleに対抗するためには)Craigをはじめとする複数の人と連携する必要がありそうですが。チーフソフトウェアアーキテクトとして、手ごわい挑戦になりませんか

Ozzie:わたしが過去にやってきた仕事や技術的な取り組みを見てもらうと分かりますが、こうした様々なものの連携が求められる複雑な課題こそ、わたしの得意としている分野です。技術のインテグレーションが必要なときであれ、内部の連携が求められるときであれ、問題は同じです。NotesとExchangeでMicrosoftと競合したときもそうでしたが、技術的な問題と、戦略的な問題がオーバーラップするときがあり、ここでは短期的、長期的な戦略の立案が求められます。とても大きな挑戦ですが、手ごわいとは思っていません。この業界で30年間にわたり経験し、得てきたものをすべて出し切るだけだと考えています。

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