ネットの中立性をめぐる政治的対立が、上院に戻ってきた。米上院商務委員会は米国時間6月13日、広範な通信関連法案に関する予備投票前の最後の公聴会を開催し、そこでネットの中立性が中心議題として取り上げられた。
上院商務委員会のリーダーたちが、論議を呼んでいるネットの中立性の概念への対処方法について話し合いを続ける中、同委員会の委員らと権利擁護団体の参考人らがあらためて、互いに自分たちの立場を主張し合った。
Consumer's Choice and Broadband Deployment Act(消費者の選択とブロードバンドの展開に関する法)と呼ばれる包括的法案の最新版は、全151ページにも上り、デジタルテレビへの転換から市営のブロードバンドネットワーク、さらにビデオサービス事業者が新事業を展開するための権利の申請手続きの変更に至るまで、あらゆる事項が網羅されている。
今回の公聴会で最も議論が分かれたテーマは、ネットの中立性だったと言ってほぼ間違いないだろう。ネットの中立性とは、ネットワーク事業者が自社のネットワークを通じて提供されているインターネットコンテンツやサービスを優遇したり、特別待遇を求める企業と取り引きしたりすることを認めるべきではない、との考え方だ。
上院では、このような行為を禁じる詳細な規則の制定は、一部の民主党議員と少なくとも1人の共和党議員から支持を得ていたが、共和党を中心とする数名の議員から強い反対にあっていた。現在続いている議論により、この包括的法案が可決されるのではないか、との懸念を一部の政治家が持ったことは間違いない。
Gordon Smith上院議員(オレゴン州選出、共和党)は次のように語った。「仮に法案全体がネットの中立性を基礎として作成されるようなことがあれば、それは米国にとっては悲劇だ。しかし、法案作成の過程を見ていると、その悲劇が現実化する可能性は極めて高い」
同法案の最終的な修正案は、早ければ米国時間6月14日にも公開されると見られ、上院商業委員会は22日に同法案の最終版を採決する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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