地球に優しいのはどっち?マイクロソフト対グーグル - (page 2)

文:Elinor Mills(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月13日 08時00分

有害物質を排除するGoogle

 Googleの取り組みはもっと控えめで深遠である。例えばGoogleは、同社の5つのカフェテリアで、ホルモンフリーのチキンや、放牧牛肉、そして放し飼いにされた鶏の卵を提供している。また、5月遅くに発表された同社初の公式マッシュアップは、「Summer of Green」と題し、米国内の地球に優しい旅行先に関する情報を発信している。

 Googleの共同創業者Sergey Brin氏とLarry Page氏も太陽電池に投資しているが、同社関係者らは、幹部の個人的な活動について詳細を明かすことを拒否した。同社トップ幹部からはコメントが得られなかったと広報担当者は述べている。

 Googleはサンフランシスコのベイエリアの従業員に対し、マウンテンビューのオフィスを往復する無料のシャトルバスを提供している。このオフィスはMicrosoftのシリコンバレーオフィスからさほど遠くない。Googleはまた、従業員が自動車以外の手段で通勤すると、その従業員が選んだ慈善事業に寄付金を支払う制度を取り入れている。従業員は、徒歩通勤するか、自転車や公共交通機関を利用すれば、ポイントを与えられる。

 オフィスというよりは、大学のキャンパスのようにみえるGoogleの社屋の周辺では、自転車や電気スクーターをよく見かける。従業員はこれを使って青々とした芝生や公共の通路を動き回る。「自転車のお医者さん」が四半期に一度、1日間無料で自転車のメンテナンスをしてくれる。Googleはまた、従業員がプリウスやホンダシビックのハイブリッドカーの新車を購入する際には5000ドルを支払っている。

 空気と水の品質も見逃さない。例えば設備ディレクターを務めるGeorge Salah氏は、自分の鼻を頼りにしている。

 「本当に大切なのは皆の健康である」とSalah氏は、Googleの「グリーン」ビルディング43を紹介するツアーのなかで述べた。同氏は「これのにおいを嗅いでみて」と言い、ロビーのテーブルから雑誌を取り上げ、それを記者の顔前に大げさに振りかざした。「買ったものから化学物質のにおいがすれば、それはおそらく体に良くないということだ」(Salah氏)

 われわれは話をしながら、リサイクル素材から作られたグリーンの偽皮のソファに腰を下ろし、リサイクルされ、またリサイクルが可能なカーペットの上を歩き、再利用可能な木材で作られた階段を上った。壁には揮発性有機化合物の少ないペンキが塗られ、その一部はリサイクルされたブルージーンズにより遮音されている。壁のほとんどが観葉植物で飾られている。椅子さえが、92%リサイクルされた素材で作られており、最終的には埋立地以外のどこかで再利用することができる。

 Googleによると、エアコンのシステムでは、外気が90%使われており、建物を通して近くの湾からの新鮮な空気が吹き出され、化学物質とともに石綿粉塵を取り除いているという。

 「従業員のためにできる限り高品質のスペースを創り出そうとしている」とSalah氏は言う。「われわれはみな、毎日の生活の中で、低レベルであっても有害物質にさらされている・・・生涯にわたりこれを蓄積すれば、遅かれ早かれそれに悩まされることになるであろう」(Salah氏)

 いくつかのトイレには温熱シートやビデといった機能がついているが、ほとんどのトイレはエネルギー効率が良く、最小限の水しか必要としない。照明の多くもエネルギー効率が良く、床から天井にまで広がるガラス窓が随所に見られるということは、多くの部屋が暗くなるまでは電気による照明を必要としないことを意味する。

 「人に優しい屋内環境にしようとしている。屋内の大気汚染の原因となりうる毒素が素材の中にも存在する」とSierra ClubのVan Velsor氏は言う。「これも企業が認識すべき大切なことだ」(Velsor氏)

 無料のカフェテリアで提供される食べ物が美味しいGoogleでは、地球に優しい慣行をキッチンに取り入れている。

 「料理には最小限の油を使い、(発がん性物質を生成する)硝酸塩や亜硝酸塩は一切使わず、理に適っていればオーガニック(を使う)」とグローバルフードサービシズマネージャーのJohn Dickman氏は言う。

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