アマゾン ジャパンは6月12日、Amazon.co.jpにおいて、書籍やCDの委託販売を開始した。サービス名は「Amazon e託販売サービス」。自費出版やインディーズCDなど、卸が取り扱わない商品でもAmazon.co.jpで販売できるようにする。
Amazon e託販売サービスは、出版社やメーカーなど、自社商品の販売権を持つ企業向けのサービスで、アマゾンが承認した企業のみが利用可能だ。企業はまずアマゾンに出品したい商品を登録する。すると、アマゾンが需要予測に基づいて仕入れ数を指定し、その数に応じて企業がアマゾンに商品を配送する。アマゾンは商品を自社の物流センター「アマゾン市川FC(フルフィルメントセンター)」に保管し、顧客の注文があれば通常24時間以内に発送する。
Amazon e託販売サービスの導入により、アマゾンは取り扱う商品数を拡大できる。「(商品数の増加で)ロングテールを拡大する」(アマゾン ジャパンe託販売サービス統括マネージャーの根来香里氏)。一方、企業側は新たな販売チャネルを得ることとなる。
Amazon e託販売サービスの利用料金は年間9000円で、企業が年会費を払い続けている間は期限なくAmazon.co.jp上で商品を取り扱う。商品が売れた場合、アマゾンは商品代金の60%を売り上げとして出品企業に支払う。
出品できる商品はISBN(国際標準図書番号)のついた書籍、もしくはJANコード(日本商品コード)のついたCD、DVD、ゲームソフト、PCソフトなど。出品者は法人の所在地が日本国内で、銀行口座が日本にある企業、もしくは20歳以上の個人に限る。
アマゾンの委託販売サービスは米国では10年前から開始しており、数万件の商品を委託販売しているという。日本は英国、ドイツに次ぐ4カ国目のサービスインとなる。なお、委託販売された商品はモバイルでも購入できるが、商品は新品のみの取り扱いとなっており、個人や法人が中古品を売買できる「Amazonマーケットプレイス」の対象にはならない。
アマゾンでは、企業がアマゾンに商品を配送する際に利用できる専用の集荷サービス「Amazon e託集荷サービス」も佐川急便と組んで開始する。料金は30小口単位で1万500円となる。
すでに247ミュージックがAmazon e託販売サービスを利用してCDを販売している。247ミュージック代表取締役社長の丸山茂雄氏は「これまで大手企業は、委託販売は小売店に大きく取り扱ってもらえないという理由で否定的な姿勢を見せていた。しかしネット上では委託品であっても、取り扱いは変わらない。Web 2.0時代で物理的な商品が増えるときに、クリエーターが最も望むスキームだ」と期待を寄せた。
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