中国のコンピュータサプライヤーLenovoは、同社PCおよびノートPC上でLinuxを提供することを停止する計画だとの報道を否定した。
小売業界誌CRNは米国時間6月2日、Lenovoの3000シリーズ担当海外製品マネージャーFrank Kardonski氏がLinuxのサポート中止を示唆したと伝えた。
同氏は同誌に対し、「今後はLinux搭載モデルを用意せず、カスタムオーダーでも対応しない。現時点で対応しているのは(Microsoft)Windowsだけだ」と語った。
しかしLenovoは5日、発言内容を訂正し、Kardonski氏がCRNに対して誤った情報を提供したこと、そしてThinkPadへのLinux搭載は今後も継続する計画であることを強調した。
LenovoのノートPCマーケティング担当バイスプレジデントMarc Godin氏はCNETに対し、「Linuxコミュニティーや顧客、そしてビジネスパートナーに対するサポートやコミットに全く変更はない」と語った。
LenovoはノートPCのシリーズとして、「ファミリー」向けの3000シリーズと「究極のビジネスマシン」であるThinkPadの2つを用意している。CRNのレポートによると、Kardonski氏はThinkPadと3000の両方で同じように「脱Linux戦略」の展開を明言したという。
今回の報道は、Lenovoが12億ドル相当のMicrosoft製ソフトウェアを購入する同社との1年契約を発表した数週間後のタイミングで流れた。
Godin氏によると、Kardonski氏は、Linuxのライセンスを提供することについてのLenovoの姿勢と、Linuxのプレインストールバージョンを提供することについての同社の姿勢を混乱していたようだという。ThinkPadノートPCを利用する企業は各社ごとに異なるコンフィギュレーションのLinuxを利用しているため、Lenovoではソフトウェアのライセンス提供をしていないと、同氏は語っている。顧客は自身の責任でライセンスを取得するが、ライセンスが入手できた時点でLenovoが新しいThinkPadに希望のコンフィギュレーションをプレインストールするという。
実際のところ、Lenovoには第3四半期からNovellと提携してThinkPadでLinuxをサポートする計画があると、Godin氏は語っている。ただし同氏によると、先ごろ発売されたLenovo 3000については、これらのモデルを視野に入れる中小企業の要件が多岐にわたるため、プレインストールオプションは提供しない方向だという。
ただし、Lenovoの国際ソフトウェアマーケティンググループ所属のGrant Shenk氏によると、中国国内のLenovoの顧客は、Red Flagが搭載されたPCなら今後も購入できるという。Red Flagは中国政府が支援するLinuxディストリビューション。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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