「日立プラズマが大きく攻めに転じた」。同社の最新薄型テレビ Woooシリーズを見ていると、そう思えてくる。今回の9000シリーズは、HDD録画機能付きのHRシリーズと、録画機能なしのHシリーズの2ラインを用意。さらにプラズマと液晶モデルに棲み分けされている。本機は、売れ筋となる録画機能付きの42V型プラズマモデルである。
この解像度は、前モデルHR8000シリーズまで継承されていたが、本機は、さらに高解像度化された1024×1080ピクセルの「1080ALISパネル」を新たに採用している。縦方向の1080ピクセルはハイビジョンの縦解像度と同じで、縦方向については画素変換(画素数に合わせて放送の解像度を変換)なしにハイビジョン映像をそのまま表示可能だ。また、オーバースキャン(画面の隅を隠して映すこと)なしに、全部の画面が視聴できる。
横方向は1024ピクセルで、ハイビジョンの横1920ピクセルには及ばない。このためフルHD(ハイビジョン本来の1920×1080ピクセルの解像度)とは言えないが、他社の売れ筋42型プラズマの縦解像度が768ピクセル前後であることを考えると、縦方向1080の緻密さがアドバンテージといえるだろう。
プラズマはフルHD対応で高密度化すると画素が小さくなるため画面が暗くなってしまうデメリットがあるが、高解像度でも明るいALISの特徴をいかして1400cd/m2の高輝度を実現した。暗室コントラストも4000対1と健闘している。もう一息頑張ってフルHDにしてほしい気もするが、量産技術や画面の明るさの確保、コストパフォーマンスからすると、本機が現状で最も実用的なのだろう。
日立は早くからプラズマテレビの開発に取り組んできたメーカーで、2000年に42型プラズマテレビを発売している。プラズマ方式が「ALIS」は同社が発売当初からこだわり続けてきたパネル方式だ。ALISは、プラズマ電極の上下をインターレース(交互に)発光させる点が特徴となっている。この機構によって比較的小型なテレビでも画素密度を上げやすい点と、高密度にしても輝度を保ちやすい点がメリットだ。この利点をいかして、他社プラズマの解像度がWVGA(800×480ピクセル)だった2000年当時から、日立は1024×1024ピクセルの高解像度を実現していたのである。
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