ブロガーと手を組む新聞社、その成果は複雑 - (page 2)

文:Greg Sandoval(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年06月07日 08時00分

 Austin(Texas)American-Statesmanは、新聞の旅行記事をBlogBurstの旅行ブログで締めくくっている。Statesmanのウェブサイトを管理するJim Debth氏は、今新聞の読者とつながるということは、彼等の声を取り込んでいくことを意味すると言う。American-Statesmanは、Pluck(本社:オースチン)が運営するBlogBurst以外にも、同紙のウェブサイト上で読者が独自のブログを作成することを手助けするツールを提供している。作成後にはこれを同紙のウェブサイトに掲載することができる。

 American-Statesman が2005年9月にこのツール提供サービスを開始して以来、同新聞の読者は875を数えるブログを立ち上げた。Debth氏によると、これらブログの1日あたりのページビューは約2500だという。同氏はこれらのブログが多数の読者を獲得するには至っていないことを認めながら、大切なのは読者が同じような考えを持つ仲間と接触する機会が与えられることだと述べている。

 「この背後にある考え方は、どちらかというとコミュニティ作りのようなものである」とDebth氏は言う。「読み手がコミュニティを作り、トラフィックと忠誠心を拡大していくのだ」(Debth氏)

倫理的つまずきとジャーナリズムの残骸

 一般の読者が作成するコンテンツの発行は、多くの新聞社が自社の編集スタッフにブログを書くよう求めたことに端を発している。しかし多くの出版物についてその成果はさまざまであった。3月にWashington Postはブッシュ政権の元側近を務めたBen Domenech氏を、その執筆資格をよく確認せずにWashingtonpost.comのブログを書かせるために採用したことで激しい批判を受けた。

 24歳のDomenech氏は採用されて3日後に、他の出版物で自分が執筆した題材を流用したと訴えられて辞任した。同氏は意図的に流用したことは否定していると、Washington Postは伝えている。

 一方Los Angeles Timesはこのほど、ピューリッツァー賞受賞ジャーナリストであるMichael Hiltzik氏のコラムとブログを中止することを発表した。理由は同氏が自分のブログや他のオンラインサイトに仮名を使ってコメントを投稿したためである。同紙は、Hiltzik氏が倫理的に違反したとか、記述内容が不正確であったというわけではないが、仮名を使って執筆することに対するLos Angeles Timesの方針にそぐわなかったと述べている。

 新聞社にとってもうひとつの関門は、そのブログが読者にとって間違いなく退屈でないようにすることであると、週刊誌Dallas Observerのマネジングエディターを務めるPatrick Williams氏は述べている。同氏によると、新聞のブログは、長すぎて当日の紙面に載せ切れなかった記事の残骸で埋められていることが多すぎるという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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