独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)は6月2日、2006年5月のコンピュータウイルスと不正アクセスの届出状況を発表した。
発表によれば、5月のウイルスの検出数は約178万個と、4月の約179万個から同水準での推移となった。また、5月の届出件数は3651件となり、4月の3537件から3.2%の増加となった。検出数の1位は、W32/Netskyで約138万個、2位はW32/Mytobで約24万個、3位はW32/Mywifeで約5万個だった。
5月の不正アクセス届出件数は13件であり、そのうち被害のあった件数は6件だった。被害届出の内訳は、侵入4件、DoS攻撃1件、アドレス詐称1件となっている。侵入届出のうち、SSHで使用するポートへの攻撃を受けた結果侵入されたという届出が2件、フィッシングに悪用するためのウェブコンテンツを設置させられていたという届出が1件あった。不正アクセスに関連した相談件数は23件(うち2件は届出件数としてもカウント)であり、そのうち何らかの被害のあった件数は11件だった。
5月の相談総件数は846件と、相変わらず高水準で推移している。そのうち、アダルトサイトなどで画像や動画と思ってクリックしただけで、スパイウェアが取り込まされるワンクリック不正請求に関する相談が210件(4月は161件)と、統計を取り始めた2005年以来、最高の件数を記録した。このような被害事例では、セキュリティ警告を無視して、自分でスパイウェアを取り込んでしてしまっているケースが多いとみられる。IPAは、少しでも怪しいと思ったら、ファイルの「種類」やファイルの「発行元」の情報をチェックし、安全が確認された場合以外は「実行」をクリックしないよう呼びかけている。
また、セキュリティ対策ソフトの押し売りのような行為に関する相談は41件(4月は40件)と、4月に引き続き多く寄せられた。その他は、Winnyに関連する相談が28件(3月が196件、4月が83件)などだった。
また、インターネット定点観測(TALOT2)によると、5月の期待しない(一方的な)アクセスの総数は、10観測点で31万7490件あった。1観測点で1日あたり324の発信元から1024件のアクセスがあったことになる。
TALOT2での1観測点の環境は、インターネットを利用する一般的な接続環境と同一なので、インターネットを利用する我々の環境へも同程度の一方的なアクセスがあると考えられる。これは、我々のコンピュータが、毎日平均して324人の見知らぬ人(発信元)から、発信元1人当たり3件の不正と思われるアクセスを受けている計算になるという。
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