ニューヨーク発--米国時間19日、Apple Storeの新しい店舗が五番街にオープンしたが、Apple Computerの熱心的なファンは、折からの雨や雷をものともせず、屋外に行列をつくって開店を待っていた。
Stormy Shippyという20歳の青年は、2500キロメートル離れたテキサス州ダラスの自宅からわざわざ新店舗の開店に駆けつけた。18日夜半から列に並び始めた同氏は、雷がなり、雨が降るなかで、20人ほどの人とともに開店を待っていた。雨具を身にまとい、防水シートやゴミ袋まで持参して列に並んだ筋金入りのファンらは、座ったりしながら19日の大半を過ごし、午後6時の開店を待った。
Grateful Deadの名高いファンであるDeadheads同様、これらのAppleファンも、Apple Storesの開店に合わせて米国各地に出かけ、時には時には海外まで足を伸ばすこともある。彼らは一番乗りを目指して徹夜で行列する。先ごろ大学を卒業したShippy氏は、2004年11月にオープンしたロンドン店に一番乗りを果たしたこともある。
同氏は冗談半分に、「Apple Storeの開店のためだけにロンドンに行った。悲しすぎるだろう」と述べた。「これだけ早くから並んでいるが、だれにも特に理由はない。コンサートのときや、有名人に会うために外で待つのと同じだ。Apple Storeのオープンのために並んだっていいだろう」(Shippy氏)
Shippy氏のようなAppleファンの意気込みと熱意は、Appleが長年にわたって熱心な支持者を集めてきた証拠だ。Appleは2001年に最初の直営店を開いたが、当時アナリストはこの戦略の成功に懐疑的な考えを示していた。しかし、Appleがマーケティングに強く、またiPodが大人気となり、主流のコンシューマー市場に浸透したことなどから、Appleの小売戦略は大成功を収めた。
ところが、こうした経営的な側面とは別に、Apple Storeの開店は独り歩きするようになり、熱心な追っかけ集団を生みだした。
この日、前から3番目に並んでいたGary Allenという58歳の男性は、カリフォルニア州バークレーからやって来ていた。この5年間に、合わせて12店舗の開店に並んだという同氏が、最初にApple Storeの開店に並んだのは、2001年10月にカリフォルニア州パロアルトの店舗がオープンした時だった。
「それまで、こうしたことは一度もしたことがなかった。14才の息子に誘われたのがきっかけだった」(Allen氏)
Allen氏はそれ以来、やみつきになってしまったという。3年前には、Apple Store巡りを記録したウェブサイトを立ち上げた。同氏はこの日も、五番街のGeneral Motorsプラザにある無料のWi-Fiアクセスを使って、自分のブログに写真をアップロードしたり、新しい情報を公開していた。
Allen氏は、Apple Storeの開店に立ち会うため、わざわざ日本やロンドンまで出かけていったこともある。同氏はさらに、今年欧州まで出かけ、ローマにできるApple Storeの開店に並ぶつもりで、その際には現在スペインの大学で勉強中の息子も駆けつけるかもしれないという。
Allen氏や、行列を作る人々がApple Storeのオープンニングに駆けつけるのは、実際に店内の様子を見るためではなく、人と知り合い、イベントに参加するためだ。
「これは実は社交行事だ。ここに来ればほかのAppleファンもいて、同じ趣味の人と出会えるのが面白い。また、Apple全社員の仕事に対して支持を表明するための方法でもある」(Allen氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス