昨年私は、Apple Storeはセキュリティがずさんだとほのめかす記事を読んだが、それは全くの大ウソだ。
新しいMacBookが米国時間16日に発売になった。CNETのレビュー用に1台購入しようと、私はさっそくサンフランシスコのダウンタウンにあるApple Storeに向かった。店内はいつものように混雑しており、何人かの店員がMacBookの展示モデルを設置しているところだった。
「黒いほうのMacBookはあるか」と尋ねたところ、緑色のTシャツを着た店員がすぐにPOS(一般に見られるものと同じPOSではない)端末のキーボードをたたき、早々に客が殺到したにもかかわらず、まだ在庫が残っていると嬉しそうに知らせてくれた。この男性店員は私の名前を控え、そして延長保証の「ProCare」や「.Macアカウント(30%引き)」もどうかときいてきた(自分の職務に忠実だ)。「MacBookだけでいい」と答えると、店員はポケットベルのような呼び出し装置を差し出した。これは、週末に流行の店で食事をしようとするときなどに渡される例のヤツだ。
そして私は辛抱強く待った。私と同じように、ボケベルを手に自分のお目当ての品物が地下の倉庫から掘り出されてくるのを待っている客がほかにも何人もいた。
その後30分ほど、たくさんの客が1500ドルを払って黒いMacBookをうれしそうに受け取っていく姿を眺めながら、自分の番が回ってくるのを待っていた。すると、1人の男が歩み寄ってきて、私の目の前で立ち止まった。大ぶりで、すがすがしい陽気にそぐわない厚手のコートを着たその男は、そのなかにiPodのアクセサリが入った箱をいくつも放り込んでいるようだった。
その男が出口へと向かうと、白いシャツを着たApple Storeの店員がその前に立ちはだかり、別の店員がその背後にまわった。白いシャツの店員が男のコートのなかからいくつかの箱を取り出した時、男はマーケットストリートの中心部に向かって逃走を試みた。もし男の着ていたコートが小ぶりで破けやすいものだったら、うまく逃げおおせていたかもしれない。だが、4人の店員は男を引き倒すと、最後はこのコートを引っ張って店に連れ戻した。実際に見たわけではないが、男は「トップシークレット」と書かれた輸送用パレットにMacBookが載せられて並んでいる近くに連れて行かれたのではないだろうか。
1時間近く待たされた後で、私の名前が呼ばれた。ただし、呼び出し用のポケベルには何の連絡も入っていない。これは良くない知らせだ。思った通り、黒いMacBookは品切れになっていた。最初に応対した店員は私に、確かに在庫はあるといっていた。だが別の店員がいうには、実は具体的な在庫数は把握していなかったとのこと。はっきりしているのは、いまはもう1つも残っていないということだけだそうだ。そこで、CNETは白のほうを1台手に入れることにした(写真はこちらを)。今回の出来事の教訓を挙げるとすれば、こういうことになるだろう。「大きな注目を集める新製品の発売当日に、Apple Storeで万引きしようなどとは決して思わないこと」
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス