NTTドコモ系列のメディアレップであるD2Cの場合、メール型広告の「メッセージF(フリー)」が売り上げの多くを占めていたが、medibaの場合は「ピクチャー型」と呼ばれるバナー広告の人気が高まっている。これは、QVGA液晶を搭載した端末の普及でグラフィックの表現能力が上がったうえ、通信速度が向上して、データ量の多い画像を携帯電話で表示できるようになったためだ。ピクチャー型は、ブランドイメージの構築を求めるナショナルクライアントにも評価され始めているという。
さらにmedibaでは、ポータルサイトならではの広告手法として、トップページの背景に広告を表示する取り組みを始めた。現在は独立した広告メニューではなく、サイト内での映画特集などと合わせたタイアップ広告の一環として広告主に提供しているという。ポータルのトップページに大きく表示されることもあり、ユーザーに強い訴求ができるとして高い評価を受けているとのことだ。「パケット定額制があるからこそできる表現だ」
今後の課題として奥野氏はまず、モバイルポータルサイトを利用する人を増やすこととを挙げる。ユーザー数が増えれば、それだけ広告の露出機会も増えるからだ。「いまはモバイルリテラシーの高い人がモバイルサイトを使っていることが多いが、一般の人でも使いやすいようにすることが重要だ」(奥野氏)。現在、ポータルサイトのコンテンツカテゴリは20程度となっているが、このカテゴリをニーズに応じて増やしていく考えだ。
このほか、モバイル広告業界全体で、サイトのメディア価値を図る指標をつくることが重要だとも話す。現在では広告がどれだけクリックされたかを示すクリックレートが広告効果の主な指標となっているが、ピクチャー型広告などは特に、ユーザーが広告を見たという「インプレッション効果」がある。medibaでは事例を積み重ねながら、広告主に提示できる新たな広告指標を作っていきたいとしている。
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