Adobeは、FlashやAcrobat関連のアプリケーション開発を行うサードパーティープログラマ--とりわけウェブ開発者のネットワーク拡大を目指しており、Apolloもこの戦略に基づいている。
しかし、開発者は現在、多数の選択肢を手にしているとアナリストらは言う。その選択肢のなかには、ウェブ開発のためのスクリプト言語やAjaxスタイルのもっと堅牢なツールなどもある。
Lynch氏によると、Adobeはスクリプト言語に対する関心の高まりを活用しようとしているという。Flashアプリケーションの実行用としてまもなく登場するFlash Player 9は、スクリプトの実行が少なくとも10倍速くなるよう書き直されたと同氏は述べた。Adobeは米国時間9日、EclipseベースのAjax開発プロジェクトであるOpen Ajaxに参加した。
一方、Microsoftでは、Adobeが従来から強味としているデザイナーやイラストレーター向けの製品に真正面から狙いを定めている。同社はまた「Windows Presentation Foundation/Everywhere」と呼ばれる開発用ソフトウェアの開発にも取り組んでいる。これは、Windowsアプリケーションを、FlashのようにさまざまなOSやブラウザ上で動かせるようにするためのものだ。
Lynch氏によると、AdobeとMicrosoftは複数の分野は協力している間柄だが、両社が直接競合する分野も増えているという。
「Microsoftが自社のアプリケーションをどこでも実行できるようにするニーズがあることを認識しているのは良いことだが、その実現はかなり難しい--それこそ、われわれがFlashをつかってすでに実現していることだ」(Lynch氏)
Microsoftの幹部らは、Windows Vista用の開発ツールが、他社のブラウザやOS上でも動作するとしている。ただし、機能的にはWindowsのネイティブアプリケーションより劣ることになるという。
Adobeはまた、同社のルーツともいえるデザイナーやイラストレーター向けのビジネスから事業を拡大し、企業内開発者への訴求も試みている。
同社は、従来からの顧客層に加えて、主流の開発者にも自社製品を採用させることを狙った取り組みのなかで、企業向けの色が濃い機能を追加しながら、開発ツール類を強化している。
AdobeのFlashアプリケーション開発ツール「Flex」はEclipseのプラグインとして機能する。EclipseはJavaを使う企業内ソフトウェア開発者の間で人気のある開発ツールだ。また、AdobeはFlexをベースにしたツール類も開発し、プログラマが企業のバックエンドで使われるアプリケーションを簡単に利用できるようにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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