ゲーム機市場におけるソニーとMicrosoftの戦いは、ハードウェアの価格だけでは決まらない・・・最終的な決め手となるのはPS3のBlu-ray Discプレーヤーとしての機能になりそうだとアナリストらは述べている。
ソニーは、「Electronic Entertainment Expo(E3)」の開幕に先立ち、米国時間8日にロサンゼルスで「PlayStation 3」の仕様と価格を公表した。同ゲーム機は、499ドルおよび599ドルで11月に発売される。
Microsoftが昨年発売した「Xbox 360」の価格は、299ドルおよび399ドルだ。同社はこれまでにXbox 360を約160万台出荷しており、6月末までには累計で約550万台を出荷したいと考えている。
価格の点だけをみれば、Xbox 360のほうが200ドルも有利に思える。だが、両者の比較はそれほど簡単ではない。
たとえば、Xbox 360の299ドルのマシンにはハードディスクが搭載されていない。一方、人気の高い399ドルのモデルには20Gバイトのハードディスクが搭載されているため、499ドルのPS3とほぼ同じ構成となる。
さらに重要なのは、PS3にBlu-ray Discドライブが搭載されている点だ。ちなみに、年内に登場予定のBlu-ray Discプレーヤーは1000ドル前後になる可能性が高い。
「PS3は、Blu-ray Discプレーヤー(と比較して)かなり安く思える。100ドル余分に払うだけでBlu-ray Discプレーヤーを所有できる。(次世代DVDプレーヤーとしては)かなり大胆な価格設定だ」と、調査会社Gartnerのアナリスト、Van Baker氏は述べている。
しかし、そこで別の疑問が湧いてくる。果たして消費者は、PS3を購入する際にDVDプレーヤーの機能を考慮するだろうか。
「Blu-ray Discプレーヤーとしてみれば安いが、ゲームとしては高い」とNPD GroupのアナリストStephen Baker氏は述べている。
1990年代にPlayStation 2とXboxが発売された時、アナリストや報道関係者はこれらのゲーム機について、ゲームマシンとして家庭に入り込み、DVDプレーヤーや家庭用コンピュータにとって代わるトロイの木馬ではないかと推測した。PlayStation 2は確かにDVDフォーマットの普及に一役買ったが、しかし乗っ取りの予測は当たらなかった。PCやDVDプレーヤーの売上はいまでも伸び続けている。
前述の2人のアナリストはいずれも、PS3とBlu-ray Discプレーヤーの価格差がソニーに有利に働く可能性があるとし、Blu-ray Discプレーヤーを買いたいと考える消費者が代わりにPS3を選ぶ可能性を挙げている。ただし、ソニーは価格の違いに対応する機能などの差を明確に示す必要があり、消費者の混乱回避に全力を注がなくてはならないだろうと、NDPのBaker氏は述べている。
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