ロサンゼルス発--Sony Computer Entertainment America(SCEA)は米国時間5月8日、Sony Pictures Studiosにおいて華々しい記者会見を開き、次世代ゲーム機「PLAYSTATION 3(PS3)」の販売価格と地域ごとの発売予定日を明らかにするとともに、専用コントローラの製品版を公開した。
SCEA社長の平井一夫氏は、PS3には仕様の異なる2つのモデルがあり、60Gバイトのハードディスク(HDD)を内蔵するモデルの価格は599ドルに、また20GバイトのHDDを内蔵するモデルは499ドルになると述べた。
これらの価格は、Microsoftの「Xbox 360」に比べるとかなり高めに設定されている。Xbox 360にも2つのモデルがあるが、HDD内蔵タイプが399.99ドル、HDDなしのモデルが299.99ドルだ。
SCEAのエグゼクティブバイスプレジデント兼共同最高執行責任者(COO)、Jack Tretton氏は、5日に行われたCNET News.comとのインタビューのなかで、次世代ゲーム機の価格がいくらであれ消費者はお金を出すだろう、という意味にとれる発言をした。
「人々は(PS3に)十分な価値を認めるだろうから、値段を聞いて購入を思いとどまるようなことにはならないだろう」(Tretton氏)
確かにPS3は、「PlayStation 2(PS2)」から見ると、技術面で飛躍的な進歩を遂げている。大ヒットとなったPS2についてSCEAは、出荷台数が1億300万台を超えたと8日の記者会見で発表した。
高性能プロセッサ「Cell」を搭載したPS3は、次世代光ディスクのBlu-ray Discを再生可能なドライブを内蔵し、CDやDVDの再生にも対応する。また、ギガビットイーサネットのほか、BluetoothおよびWi-Fi接続にも対応している。さらに、サウンド面ではDolby 5.1chサラウンド音声に対応し、映像出力はフルHD(1080i/1080p)をサポートする。
PS3はまた、ワイヤレスコントローラを最大7つまで同時に接続できる。
さらにPS3では、USB、ソニーのメモリースティック、SDカード、コンパクトフラッシュカードに対応している。
SCEAは記者会見で、価格設定に加え、地域ごとの発売予定日も明らかにした。日本では11月11日発売だが、北米地域では6日後の11月17日に店頭に並ぶ予定だ。
また平井氏は、同社が2006年末までに400万台、そして2007年3月までにはさらに200万台のPS3を必ず出荷することにしていると述べた。これは、PS3の高価格によって消費者が購買意欲を失わなければ、Xbox 360に対する初期需要を満たせなかったためにMicrosoftが受けた非難をソニーは回避できるかもしれない、ということだ。
一方、同社はPS3の専用コントローラを初めて公開した。
コントローラの形状はPS2のものと非常によく似ている。
PS3のコントローラとPS2用のそれとの大きな違いは、PS3のコントローラには、スクリーン上のキャラクターの動きと、プレーヤーの手の動きを連動させる技術が搭載されている点だ。コントローラがプレーヤーの手の動きを自動的に感知し、それをスクリーン上のキャラクターの動きに変換する。
この革新的な技術は、Xbox 360には搭載されていない。一方、任天堂は、同社次世代ゲーム機「Wii」用コントローラにモーションセンサ技術が搭載されると以前から明らかにしていた。
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