ソフトウェアの権利保護活動を行う業界団体のBusiness Software Alliance(BSA)は、ソフトウェアの違法コピーや不正使用を行っている企業に関する情報の提供者に対し、謝礼金を増額して約3万6000ドルにすると決めた。
以前から、BSAは英国内の組織におけるソフトウェアの不正使用に関し、同団体のサイトを通じて情報を提供してもらうホットラインを設けていた。こうした情報に対して、これまでは1万ポンド(約1万8000ドル)の謝礼金を支払うことになっていたが、今回は6月末までの期間限定でその額を2倍の2万ポンド(約3万6000ドル)に引き上げたもの。
BSAによれば、ホットライン経由の通報がきっかけとなって調査を開始したケースが、2005年には420件にのぼったという。通報の多くは、IT関連の業務に従事する人たちからだった。
BSAの北ヨーロッパ地域担当マネージャーSiobhan Carroll氏は、ソフトウェアのライセンス認証ツールや検証システムがひろく行き渡った今では、不正使用が発覚した組織に申し開きの余地はもはやないと語った。
「謝礼金を2倍に引き上げたのは、ソフトウェアのライセンス問題の重要性を企業の上層部に認識してもらうためだ。厳しいと思われるかもしれないが、不正使用をしても見逃してもらえると考えている企業が全体の27%にものぼっているのが現実だ」(Carroll氏)
同氏によると、情報源は会社に不満を抱いている社員が多いという。また、BSAの委託を受けて調査会社YouGovが実施した世論調査では、労働者の4分の3が上司から不公平な扱いを受けていると感じたら内部告発を考えると回答しており、昇給への不満を理由に密告するという回答も全体の4分の1を占めていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」