Microsoftは、Windows Vistaに新しく洗練されたグラフィック表示機能を持たせる計画を進めている。ただし、不正コピーの利用者はこの機能の恩恵を享受することができない。
Vistaでは、ウインドーの透過表示や、開いたプログラムとそのファイルを示す「ライブアイコン」を切り替える際のアニメーション表示など、数多くの視覚的な効果が提供されることになっている。
ただし、「Aero」と呼ばれるこのグラフィック表示機能を利用するには、先にそのVistaのコピーがきちんと購入されたものであることを確かめるテストをクリアしなくてはならない。
米国時間4月12日に、Microsoft関係者はCNET News.comに対して、「正規のWindowsが動作していないPCでは、Windows Aeroのユーザーエクスペリエンスを享受することはできなくなる」と語った。
Microsoftはこれまでにも、自社OSの不正コピー使用者らに対してさまざまな対策を取ってきた。2004年秋には、Windows Genuine Advantageのテストを開始したが、これはWindowsの特定のコピーが正規のものであるかどうかを検証するプログラムだ。
Windows Genuine Advantageは当初は必須でなかったが、その後さまざまなWindows XP用のソフトウェアやアドオンをダウンロードする際には、必ずこれをクリアすることが求められるようになった。ただし、このテストを受けていなくてもWindows XPの機能は問題なく実行することができる。Windowsはすでに90%を超えるパーソナルコンピュータで利用されていることから、Microsoftは不正コピーの削減がWindowsの売上増加の鍵を握ると考えている。
Window Vistaの派手なグラフィック表示を楽しめなくなりそうなのは、不正コピーの利用者だけに限られない。「Windows Vista Basic」(一般ユーザー向けのローエンドバージョン)では、Aeroは利用できない。また、ハイエンド版を購入したとしても、メモリ容量が不足していたり、グラフィックボードの性能が十分でなかったりという場合や、搭載するグラフィックチップが新しいVista用のドライバをサポートしていなければ、美しい描画表示を楽しむことはできなさそうだ。
Vistaは2007年1月に一般発売される予定だが、Microsoftはハードウェアに関する要件の確定版を公表していない。しかし同社は、今週インターネットでわずかの間公開されたドラフト製品ガイドのなかで、Aeroのガイドラインをいくつか示していた。
Microsoftはこのドキュメントのなかで、Aeroを利用するためには、最低1800Mバイト/秒のメモリ帯域幅など、かなり具体的で難解な要件をシステムが満たさなくてはならない、と述べている。同製品ガイドによると、Vistaにはこの要件を判断するためのツールが搭載されているという。だがMicrosoftは、既にPCを保有している既存の消費者らが、自分たちのマシンが基準に合致するかどうか判断する方法については詳細を明らかにしていない。
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