オラクル元社長、ソフトウェア業界に収益モデルの転換を提言

文:Dawn Kawamoto(CNET News.com)
翻訳校正:中村智恵子、長谷睦
2006年04月05日 21時30分

 カリフォルニア州サンタクララ発--元Oracle社長のRay Lane氏が講演を行い、企業向けソフトウェアメーカーは生き残るためには「ソフトウェアをサービス」ととらえ、新しい収益モデルを採用するべきだと提言した。

 現在はベンチャーキャピタルのKleiner Perkins Caufield & Byersでゼネラルパートナーを務めるLane氏は、当地で開催された「Software 2006」カンファレンスでの講演の中で、ソフトウェア業界の現在の収益構造とビジネスモデルは今後も持続可能とは言えないと述べた。

 Lane氏は、ソフトウェア業界の総利益は長期低落傾向にあり、主要3企業が利益の約80%を独占していると指摘した。なかでも最大の利益を得ているのはMicrosoftで、総利益の約50%を占めている

 結果として、投資家は市場の特定分野で支配的な地位を得る、もしくは革新をもたらす見込みがある企業に資金を提供する傾向にある。

 「Fortune 200に名を連ねる企業の多くが、革新的な企業を探してシリコンバレーに足を運んでいる」とLane氏は語り、新興のソフトウェア企業について、新規株式公開(IPO)を実施するよりも買収されるケースが多い現状を説明した。

 Lane氏によると、1990年代後半から2000年代初めにかけてのソフトウェア市場のバブル期には、3年周期で画期的な変化があったが、今ではこれが6年周期になっているという。Lane氏はさらに、これからの可能性を秘めた新たな環境で成功を得ようとする企業に向けて提案を行った。

 企業がソフトウェアをサービスとして提供する道を選ぶなら、ソフトウェア・ビジネスのあらゆる面が活性化されるとLane氏は指摘した。その中でも注目すべき分野として、Lane氏はソフトウェアの導入を簡単かつ迅速にする技術を挙げている。Kleiner Perkinsのポートフォリオ企業であるVirsa SystemsがSAPによって買収されたのも、ソフトウェアのサービス化の一環だという。

 また、今後はウェブを利用する企業がさらに優勢に立つはずだ。「過去7、8年の間に、ウェブは使いやすく変化した。この傾向が今後も続くとすると、5年後のウェブはさらに簡単になり、セキュリティも向上しているだろう」とLane氏は述べた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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