本製品は「百ます」モード以外にも3つのトレーニングモードを搭載していることが大きな特徴だ。このうち「九九ドリル」モードは、九九を1の段から順番に出題するモードで、どちらかというと子供向けの感が強い。以下では、これ以外の2つのトレーニングモードを紹介しよう。
ひとつは「虫食い」モード。100問の四則演算が出題される点では前述の「百ます」モードと変わらないが、「2×●=8」といった具合に、四則演算のマスクされた部分を答える点が異なっている。出題の中には2ケタの数字もあり、「87÷●=29」「68÷●=17」など、ふだんから暗算に慣れていないと即答しづらい出題も多い。筆者としては、本製品に搭載されているトレーニングモードの中では、これがいちばん手ごわいように思えた。
もうひとつの「記憶テスト」モードは、前述の2つのモードとはかなり趣が異なり、表示された3ケタ以上の数字が画面から消えた後に、同じ値を間違えずに入力するというものだ。スタート時点はケタ数が3ケタなので比較的易しいのだが、ステージが進むにしたがってケタ数が増え、最終的に7ケタの表示になると、さすがに一筋縄では行かなくなる。
ちなみにこの「記憶テスト」モード、5問正解するたびに表示のケタが1つずつ増えてゆくのだが、その際に1問だけ、数字を後ろから入力しなければいけない問題が出現する。覚えた数字をとっさに頭の中で後→前に並び替えて入力しなくてはならないため、かなり難しい。実際にプレイしていても、脳のふだん使っていない部分を使って解答しているように感じられる。どうせなら、もう少しこの種の問題の出題頻度が高くても良かったかもしれない。
過去にも、電卓に付加機能を搭載した製品はいくつか存在した。その代表的な例は、80年代初頭にブームになった「ゲーム電卓」だろう。飛んでくる数字に同じ数字をぶつけて打ち落とすインベーダーライクなゲーム、と書くと、懐かしく思い出される方も多いだろう。
今回紹介した「百ます計算対応電卓」は、アクション性ではなくトレーニング要素に重点を置いていることが、これらゲーム電卓とは大きく異なる。本製品はあくまで電卓としての機能が本分であり、ビジネスシーンで使用しても違和感はないようデザインされている。職場に常備しておけば、製品のキャッチコピーにある「毎日朝夕2回のトレーニング」というのも不可能ではないだろう。
あえて難があるとすれば、価格だろうか。実売価格が3000円弱と、一般的な電卓に比べて若干高価である上、実売2000円を切っている前述のシャープ製品に比べるとやや割高に感じられる。トレーニングモードが多い点と、画面が2行で見やすい点をどう評価するかによるだろう。
なお、今回紹介した百ます計算対応電卓「EN-200-N」には、表示を子供向けにあらためた姉妹機「EN-100-N」も存在する。製品の機能はまったく同一だが、ボタンの「決定」が「OK」、「記憶テスト」が「きおくテスト」と、表示の一部が子供向けに改められている。小学生のお子さんがいる家庭では、こちらを購入するのもよいだろう。
Goto's Check!ユニークさ★★★★☆
多機能さ★★★★★
親しみやすさ★★★★☆
価格の安さ★★★☆☆
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのBioSHADOWが誘う
心地良い室内空間のつくりかた